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中国ではここ数年、建設現場の人手不足と人件費の上昇が進んでいる。国家統計局のデータによると、2022年は施工作業に従事する労働者が325万人減少した。南通大学の研究報告では、建築業界の技術改革が進まなければ、30年には1512万人の労働力が不足するとの見通しを示している。これを受け、人が担っていた施工作業を代替する建設ロボットが、コスト削減と効率向上をかなえる手段として活用され始めている。
2019年に設立された「方石科技(Fangshi Technology)」は建築業界のニーズに注目し、建設ロボットと施工ソリューションを開発してきた。取り扱う施工現場用の特殊ロボットは、コンクリート床の仕上げ向け、壁や天井の吹付塗装・研磨向け、床タイルの施工向け、屋内測量向けなど多岐にわたる。
同社が構築した建設ロボット用の共通プラットフォームは、さまざまな施工作業に対応させられるため、ロボットの開発コストが低減する。同時に、顧客の多様なニーズに応じたロボットを提供できるようになっている。
方石科技が最初に開発したのはコンクリート床仕上げロボットだった。施工現場ではコンクリート打設が完了すると、大勢の作業員が総出で床面を平らに整えて滑らかに仕上げていく。床面の仕上げは、施工工程のなかでも標準化しやすい作業のため、建設ロボットによる代替に適している。
同社は、建設大手の中国建築第八工程局(China Construction Eighth Engineering Division)や北京建工集団(Beijing Construction Engineering Group)などと提携して、さまざまな建設現場に3種類のコンクリート床仕上げロボットを送り出し、アップデートを繰り返してきた。
最高経営責任者(CEO)の李思橋氏によると、大面積の床面施工では、ロボットによる作業が4割以上に達している。15〜20人の施工チームが3台の床仕上げロボットを用い、約10万平方メートルの床仕上げをするケースで試算すると、ロボットの投資回収サイクルは6〜8カ月程度になるという。
2022年から床仕上げロボットの少量出荷を始めており、これまでの出荷台数は300台を超えている。李CEOは「現在のところ、この床仕上げロボットは中国の建設ロボットの中でも出荷台数が多いほうだ」と語る。同社は23年、オーストラリアの顧客に床仕上げロボット3台を販売し、中国で最も早く建設ロボットを輸出した企業の1つとなった。
現在は製品ラインを内装仕上げの分野にも広げ、壁や天井の吹付塗装・研磨ロボット、床タイルの施工ロボットおよび屋内測量ロボットを開発している。吹付塗装・研磨ロボットは、アタッチメントを交換するだけで、1台でパテ処理から研磨、吹付塗装まで3段階の工程を完了できる。
方石科技は現在、シリーズAの資金調達を進めており、8000万元(約17億円)を調達する計画だという。
*2024年1月30日のレート(1元=約21円)で計算しています。
(翻訳・田村広子)
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