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中国電子商取引(EC)大手のアリババグループが、百貨店事業「銀泰商業集団(Intime Retail Group)」の売却に向け、複数の企業と接触していることが分かった。
銀泰商業は、1998年に設立された大手百貨店グループで、アリババが2015年に打ち出した「ニューリテール」戦略の重点の一つだった。ニューリテール戦略とは、モバイルインターネットとデータテノロジーを用いて小売業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現し、オンラインとオフラインを融合させた新しい消費体験を提供する取り組みを指す。
アリババは2014年4月、銀泰商業に53億7000万香港ドル(約1000億円)を出資。17年には、同社を子会社化し、株式非公開化の取引に198億香港ドル(約3800億円)を投じた。銀泰商業はアリババ傘下となって以降はDXを推し進め、現在は中国全土で多数の百貨店やショッピングセンターを展開している。
アリババは現在、中核となるEC事業の売上高鈍化に直面しており、グループの組織再編を進めている。銀泰商業の売却は、これまで追求してきたニューリテール戦略の見直しを意味する。
創業者の馬雲(ジャック・マー)氏は昨年、アリババが目指すべき今後の方向性として「淘宝(タオバオ)への回帰」「ユーザーへの回帰」「インターネットへの回帰」を提示した。最高経営責任者(CEO)の呉泳銘氏も「過去のビジネスモデルが大成功を収めたものだとしても、私たちはスタート地点に立ち戻り、創業時の気持ちを改めて呼び起こさねばならない」と述べていた。
*2024年2月11日のレート(1香港ドル=約19円)で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
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