中国にもHEMS、海外展開も視野 新興のCYBERIOT

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新エネルギーのマネジメントシステムを手がける中国企業「賽博聯物(CYBERIOT)」がプレシリーズAで数千万元(数億~十数億円)を調達した。出資は鑫瑞集泰が主導し、華蓋資本(Huagai Capital)も参加。資金は新製品の開発や海外市場の開拓に充てられる。

2020年に設立された賽博聯物は、電気計測技術に基づくデジタルエネルギーソリューションのプロバイダーとして、分散型太陽光発電設備の監視と住宅用エネルギー管理の分野を中心に、「センシング+監視+スマートエネルギー管理システム」を組み合わせたサービスを顧客に提供している。

電気計測技術でデータ収集

創業者の張穎華CEOによると、同社はすでに太陽光発電の発電状況を監視する電気計測技術を開発している。今後は分散型エネルギーをめぐる利用者サイドのエネルギー消費行動の分析と監視、送電状況の計量と管理へと事業を拡大し、住宅用エネルギー分野に革新的で使いやすいエネルギー監視ソリューションの提供を目指す。

世界のエネルギーに占める分散型エネルギーの割合は近年上昇しており、分散型エネルギーシステムが世界のエネルギー構造の変革を主導している。同時に、分散型エネルギーの複雑な利用シーンが、体系的なエネルギー管理に新たな課題をもたらした。

これに対して同社は、電気計測技術に基づくデータの収集、識別、分析、最適化、制御が可能であらゆるシーンに対応する新しいソリューションを発表した。モノのインターネット(IoT)をベースにインバーターやメーターからデータを取得する従来のソリューションに比べ、同社のソリューションは先進的なセンシング技術をベースに質の高い基礎データを収集し、送電網をセンサーで管理することができる。

賽博聯物の住宅用エネルギー監視ソリューション

世界の普及率5%

同社は分散型エネルギーのユーザーおよび送電網向けにソリューションを拡大しようとしている。張CEOによると、同社は住宅用エネルギー監視・管理システム(HEMS)を開発中で、将来的には海外の住宅用エネルギー管理分野に参入する計画だという。

近年の気候問題とエネルギー危機により、住宅用エネルギーシステムにも大きな変化が起きた。電気自動車(EV)充電、ヒートポンプ、太陽光パネル、家庭用蓄電池などさまざまな新エネルギー設備が数億世帯に普及する中、エネルギーシステムは複雑な分散型マイクログリッドに変わりつつある。しかし、手頃なコストで使いやすいエネルギー監視手段や、効率的な総合エネルギー制御能力は不足している。住宅用分散型エネルギーシステムは、世界で2500万世帯に導入されているが、普及率はわずか5%前後にとどまっており、分散型エネルギーのスマート管理分野には、1000億元(約2兆円)規模の潜在的な需要が存在すると言える。

張CEOは分散型エネルギー市場について、今後は安全性とスマート化がより一層求められ、電気計測技術ソリューションの価値がますます高まると考えている。同社は引き続き研究開発を進めて事業拡大を図り、世界のデジタルエネルギー管理市場においてトップ企業を目指すという。

*2024年3月7日のレート(1元=約21円)で計算しています。

(翻訳・大谷晶洋)

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