“アクセサリー業界のSHEIN”、AI活用のDTCブランド「Stepin」が資金調達

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

スタートアップ注目記事

"アクセサリー業界のSHEIN"、AI活用のDTCブランド「Stepin」が資金調達

36Kr Japanで提供している記事以外に、スタートアップ企業や中国ビジネスのトレンドに関するニュース、レポート記事、企業データベースなど、有料コンテンツサービス「CONNECTO(コネクト)」を会員限定にお届けします。無料会員向けに公開している内容もあるので、ぜひご登録ください。

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

中国発のDTCアクセサリーブランド「Stepin」がこのほど、エンジェルラウンドで数千万元(数億円超)を調達した。新岳資本と九九資本が主導し、その他の投資機関やエンジェル投資家なども参加した。今回調達した資金はブランドのブラッシュアップや技術開発、販路拡大、人材獲得のほか、各国の市場に応じた製品テストのスマート化に充てられる。

Stepinは生成AIを使ってデザインしたアクセサリーを専門に扱う越境ECプラットフォーム。AI技術や中国のサプライチェーンの優位性を生かし、スピーディな新品発表と高い在庫回転率を可能にする小ロット生産・短納期を実現することで、「アクセサリー業界のSHEIN」を目指している。

ファッションに対する消費意識の高まり、アクセサリーのEC販売の普及、そして3D生成AIや印刷技術の成熟を受け、世界のアクセサリー市場は拡大し続けている。2025年には市場規模が7800億ドル(約115兆円)を突破する見通しだ。

Stepinを創業したRonnie Zhou氏は、TikTokのECサービス「TikTok Shop」などのコンテンツEC、大規模言語モデルなどの新技術、世界で最も力のある中国のサプライチェーンの3つを合わせれば、アクセサリー業界のSHEINになるチャンスがあると語る。

アクセサリーに対する評価は個々人の好みによるところが大きいため、大ヒット商品が生まれにくい。新商品の数を増やせば流通取引総額(GMV)は増加していくが、アクセサリー業界では通常1、2カ月前に商品を準備しておく必要があり、そこに大量の新商品が加われば在庫調整圧力が高まってしまう。

しかし、急速に進歩したAI技術が新たな可能性をもたらした。Stepinでは、生成AIを活用してアクセサリーの基本的な3Dモデルを作成し、デザイナーが微調整を加えていく。今年はすでに1人のデザイナーが100点以上の新商品を出せるペースとなっており、次はAIモデルの精度を高めて使いやすくすることに重点を置くという。効率的なデザインに小ロット生産・短納期が可能な中国のサプライチェーンが加わり、商品提供までの時間が大幅に短縮された。

急成長する新興ECもアクセサリー業界にチャンスをもたらした。TikTok Shopのほか、破竹の勢いで世界を席捲する格安EC「Temu」などもStepinにとってプラスに働いている。

中国市場の動向を見ると、アクセサリーはショート動画やライブ配信との相性が非常に良いことが分かる。TikTokの中国版・抖音(Douyin)のECサービス「抖音電商(Douyin EC)」では2020年以降、アクセサリーの人気が高まり続けている。TikTok Shopは東南アジア事業が順調に拡大しており、23年の取引額は180億ドル(約2兆6000億円)近くに上った。同年中に米国市場にも参入し、1日当たりの取引額は3000万ドル(約44億円)を突破した。続いて欧州や南米などにもマーケットを広げ、今後3~5年で業績を大きく伸ばすとみられる。

Stepinの月間売上高はすでに100万ドル(約1億5000万円)に迫る。創業者のZhou氏は、今年は北米市場に重点を置き、次の段階で中東と南米市場を開拓する方針を示した。また、引き続きAIモデルの能力を強化し、新商品投入を1カ月に400~500種類に増やしていく考えだという。そして、TikTokでは現在のところショート動画のオーガニックトラフィックを主としているが、今後は有料トラフィックやライブ配信も手掛けて、トラフィックの拡大と効率向上を図っていく。同社は既に新たな資金調達に乗り出した模様だ。

*1元=約20円、1ドル=約147円で計算しています。

(翻訳・36Kr Japan編集部)

36Kr Japanで提供している記事以外に、スタートアップ企業や中国ビジネスのトレンドに関するニュース、レポート記事、企業データベースなど、有料コンテンツサービス「CONNECTO(コネクト)」を会員限定にお届けします。無料会員向けに公開している内容もあるので、ぜひご登録ください。

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連記事はこちら

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録