コスパの高さで世界のDJIに挑む。ドローンメーカー「FIMI」、デュアルカメラ搭載ドローンの実力は如何に?

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民生用ドローンの世界市場をこれまで長期にわたりけん引してきたのは、最大手の中国企業、DJI(大疆創新科技)だ。しかし、新興ブランド「飛米機器人科技(FIMI)」が最新ドローン「FIMI X8 Tele」を携えて、この状況に風穴を開けようとしている。

飛米機器人は中国スマートフォン大手の小米集団(シャオミ)のサプライチェーンの一角を占め、2014年にドローン市場に参入して以来、コストパフォーマンスの高さで知られる。これまでシャオミ向けにドローンやジンバルカメラ、アクションカメラなどを開発してきたが、近年は自社ブランドの製品も発表している。このほど世界に向けて自社初のデュアルカメラドローン「FIMI X8 Tele」を発表、定価399ドル(約6万円)と、DJIに真っ向勝負を挑んだ。

デュアルカメラとAI夜景撮影モード

FIMI X8 Teleの最大の特長はデュアルカメラシステムだ。4800万画素の広角レンズと1300万画素の望遠レンズを搭載、ソニー製のCMOSセンサーを採用した。この組み合わせにより、焦点距離24~120ミリで光学ズーム5倍、ハイブリッド光学ズームは30倍まで可能になり、望遠撮影の多様なニーズを満たしてくれる。

デュアルカメラシステムのほか、AIスーパー夜景モード機能も備えている。AIでノイズを除去することでSN比が大きく向上し、夜間の撮影機能が大幅に強化された。また、リアルタイムハイビジョンデジタル映像転送システム「SoLink」により、2.4GHzと5.8GHzの2つのチャネルに対応し、最大10キロメートル離れた場所にも、スムーズにリアルタイムの映像を転送する。

飛行の安全面に関しては、前後と下向きの6つの障害物センサーによる3D障害物回避機能があり、検知距離は最大20メートルになる。航続能力も非常に優れ、飛行時間は標準仕様のバッテリーで約38分間、大容量バッテリーを使えば47分間だ。

全体として、FIMI X8 Teleは優れた撮影機能と航続距離を備え、小型で軽量の機体はアウトドアでの使用に適している。

コストパフォーマンスはDJIに匹敵

FIMI X8 Teleの夜景モードやズーム性能が非常に優れているとはいえ、DJIに挑戦するのはたやすいことではない。DJIはフライトコントロールシステムや映像転送技術で確かな実力を有し、ブランド力やマーケットシェアでも明らかに優位に立っている。

例えばDJIの「Mavic Air 2」「Mini 4 Pro」と、FIMI X8 Teleにはそれぞれ異なる強みがある。Mavic Air 2はセンサーがFIMI X8 Teleと同等レベルで、Mini 4 Proは飛行時間がFIMI X8 Teleとほとんど変わらない。しかしFIMI X8 Teleは、DJIがまだカバーしきれていない価格帯3000~4000元(約6万1000~8万2000円)に狙いを定めた価格設定となっており、コストパフォーマンスを求める消費者にとって新たな選択肢となっている。

ドローンの世界市場は毎年20%という高い成長率で拡大を続け、2025年には数百億ドル(数兆円)に達すると予測されている。こうした市場の拡大は飛米機器人など新興メーカーにとっては絶好のチャンスだ。

しかし、DJIが約70%のシェアを占め、残りを仏「Parrot」や米「Autel Robotics」、中国の「昊翔無人機(Yuneec)」などが分け合っている世界市場に飛米機器人が食い込むには、ブランディング、技術革新、クオリティ、ユーザー体験、アフターサービスなどで十分な工夫を凝らすことが求められる。

ドローン市場は引き続き拡大することが予想される。飛米機器人の高いコストパフォーマンスという強みが消費者を惹きつけることができるか、引き続き注視していきたい。

※1ドル=約147円で計算しています。

(翻訳・36Kr Japan編集部)

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