中国と海外の研究者、抗ウイルス薬の薬剤耐性研究で新成果

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多くの抗ウイルス薬にとって、ウイルス変異による薬剤耐性をいかに克服するかが長年の課題となっている。中国の湖北工業大学(湖北省武漢市)と米ハーバード大などからなる共同研究チームはこのほど、抗ウイルス薬の選択性と薬剤耐性のメカニズムに関する研究成果を科学誌セルに発表した。
 
論文の筆頭著者の一人、湖北工業大生命科学・健康工程学院の潘軍華教授は、抗ウイルス薬は感染症への対処で重要な役割を果たすが、ウイルスが薬剤耐性を獲得すると往々にして効力を失うというと説明した。
 
潘氏によると、現在の抗ウイルス薬はウイルスのDNAポリメラーゼ(DNAを合成する酵素)を主な標的にしている。チームは研究過程で、ヘルペスウイルスのポリメラーゼホロ酵素複合体の数種類の異性体が共存する現象を発見。数十年蓄積された薬剤耐性に関する臨床データと組み合わせることで、DNAポリメラーゼの構造ダイナミクスが薬剤の選択性や耐性に影響する分子メカニズムや、DNAポリメラーゼがDNA合成を効率的に続ける構造生物学的原理を発見した。
 
潘氏は「ヘルペスウイルスに対する今回の研究は、次世代の広域抗ウイルス薬の研究開発に役立つ。他のウイルスの複製メカニズムの解明や新薬開発にも参考価値を持つ」と説明。チームは今後もヘルペスウイルスのゲノム複製メカニズムの研究を続け、エムポックスやエボラ出血熱、ニパウイルス感染症など人類の大きな脅威になるウイルスにも同様の研究を実施するとしている。(新華社武漢)

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