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中国新エネルギー車(NEV)大手の比亜迪(BYD)でチーフ・サイエンティストを務める廉玉波氏はこのほど、次世代電池の本命とされる全固体電池が予想よりも早く登場し、電気自動車(EV)の航続距離延長と充電の高速化が実現するとの見通しを示した。
廉氏は海南省海口市で9月27~29日に開かれた「2024世界NEV大会(WNEVC)」に登壇し、全固体電池は今後2〜3年でまずは高級EVに搭載され、電池技術の発展に伴って5年以内に中〜低価格帯のEVにも広がっていくとの予測を明らかにした。同氏によると、BYDもEV向け全固体電池の開発を進めているが、生産コストの圧縮や集積度の向上といった課題が残されているという。
BYDのリン酸鉄リチウム(LFP)電池は現在、中国市場でシェア約75%を占めている。廉氏は、同社は今後もLFP電池の開発を続けるとした上で、LFP電池は今後15〜20年で淘汰されることはなく、全固体電池とは異なるレベルの車両に用いられていくとの見方を示した。
韓国の調査会社SNEリサーチによると、2024年1〜6月の世界の車載電池搭載量は前年同期比22.3%増の364.6ギガワット時(GWh)となった。1位は中国の寧徳時代(CATL)でシェア37.8%。比亜迪(BYD)は15.8%のシェアで2位だった。
CATLは、27年にもEV用全固体電池を小規模生産する可能性を示唆している。ただし、同社も生産コストの高さが課題だとしている。
(36Kr Japan編集部)
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