ペーパレスが広がる中国、 領収書電子化サービスの「GOLDEN」  大株主のテンセントから再び150億円を調達

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情報システム開発の「海南高灯科技有限公司(GOLDEN)」がシリーズBで10億元(約150億円)超の資金調達を完了した。リードインベスターを大株主であるテンセント(騰訊控股)、ファンド・マネジメントの「鼎暉投資(CDHインベストメンツ)」、「中投中財基金管理有限公司」、深圳市政府出資の「深創投(Shenzhen Capital Group)」が務め、既存投資家の高瓴(Hillhouse Capital Group)、「大連万達集団(ワンダ・グループ)」等が参加した。

2017年5月にテンセントの出資により設立されたGOLDENは、ビッグデータを活用した領収書・請求書等の「発票(取引内容の証拠書類)」電子化ソリューションを中心に、飲食店、ホテル、駐車場、ガソリンスタンド、小売店、不動産等、各分野でサービスを展開している。小売業を例にとると、、企業は電子化されたシステムを通じて、各店舗との資金、物流、取引内容の証拠書類のやり取りを一括管理することができ、経理部門のコストを抑えることができる。

GOLDENはすでに商業不動産大手の「大連万達集団(ワンダ・グループ)」やライドシェア大手の「滴滴出行(Didi Chuxing)」、電気通信事業者大手3社(中国移動、中国聯通、中国電信)等の名だたる企業と業務提携を結んでいる。

中国政府が全面的な税制改革を進める中、経理管理業務においては、コンプライアンスが課題となっている。GOLDENは電子化ソリューションで培ったブロックチェーン技術を活用し、身分証明書、取引バウチャー、支払いバウチャー、および請求書といった「4つの証拠書類」に基づいて、商取引行為証明書の発行から受取、保存、照合までを一括して行えるシステムを構築している。これにより、財務・税務データの真実性が確保されるだけでなく、各分野に存在する税務管理上の問題点がデータの電子化と自動化を通じて解決され、企業・個人の納税コストの低減および社会全体における「法に基づく納税意識」の向上につながる。

GOLDENの董事長兼CEOである高峡氏によれば、今回調達された資金はブロックチェーン、クラウドコンピューティング、ビッグデータ等の技術開発に充てられる予定。同社は取引内容の証拠となる書類の電子化システムに基づき、様々な分野やニューエコノミーにも対応できるカスタマイズソリューションを展開し、財務・税務管理におけるサードパーティ専門企業を目指しているという。

また、政府のETC普及政策も後押しとなり、GOLDENは今後はスマート交通分野にもいっそう力を入れていくという。同社が開発したETCカードアプリ「ETC助手」は、デイリーアクティブユーザー(DAU)が数百万人に達し、一日のカード申請者数は最高10万人を超える。これまでに3000万人のユーザーを獲得し、そのユーザー数は全国のETCユーザーの約20%にあたる。アプリを通じた通行料金の支払いは一日平均100万件を超え、1000万人以上が電子領収書を受け取っているという。

GOLDENの将来性について、深創投のインターネット研究センターの劉輝執行役員は、「取引内容の証拠書類の電子化を皮切りに、全国規模で財務・税務作業の電子化が進められている。インターネットを通じて政府、企業、個人がつながっており、活用シーンの拡大により、収益向上が期待できる」と語る。

また、テンセント・ミュージックにも出資するファンド・マネジメントの中投中財基金管理有限公司の韓瑩副総経理は、「GOLDENは、今回の政府の企業減税・コスト削減措置によって恩恵を受ける企業であり、高い技術力を持つ『イノベーション推進型』企業だ」と評価している。
(翻訳・桃紅柳緑)

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