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シンガポールで開催された世界的テクノロジー展示会「Tech Innovation 2024」に合わせて、10月28日にKSAC(関西スタートアップアカデミア・コアリション)主催の特別イベント「Lab to Market: Exploring Kansai’s Top Research」が現地で開催された。関西地域から参加した日本を代表する研究者が、世界に向けてその技術力を披露。現地の関係者から高い評価を受け、「関西発ディープテックが海外で十分に活躍できる」というメッセージを強く発信する場となった。
このイベントは、関西地域に集積するディープテック分野の高い技術と研究開発力を国際的に紹介し、産業や学術界との新たな協力関係を築くことを目的にしている。アジアの技術ハブであるシンガポールでの開催は、関西発のディープテックがどのように世界に挑戦し、成果を上げていくかを示す絶好の機会になる。
世界に挑む関西発ディープテック研究者
イベントはシンガポール市内で行われた。現地のテックメディア「KrASIA」の協力を得て、シンガポール政府関係者、投資家、イノベーション支援に携わる人材や、シンガポールで活躍する日本人など100名近い申込みがあり、関西を代表する5つの研究グループによる発表に真剣な表情を向けた。
例えば、関西大学の鈴木昌人教授は、蚊の無痛採血メカニズムを模倣した直径0.09mmの世界最細中空針を開発した。AIによる血管探索技術と組み合わせ、無痛針を自動採血に応用する研究は世界でも前例のない挑戦となる。鈴木教授は、この技術の実用化と事業化に向けて取り組んでいる。
事業化に向けた動きは、日本ではまだ課題が多い。現時点では企業や投資家と話をしても、研究室レベルでの成果が中心であることから、安全性をはじめとしたエビデンスの面で不足が指摘され、次のステップに進むのが難しい。当然シンガポールでも同様の反応はあるが、日本と比べてやはり医療関係者からの関心が強く、リスクを取ってでも新技術を試したいという声が上がる。今回はシンガポール国立大学や南洋理工大学の研究者らも展示会やイベントに来場しており、研究者同士の活発な交流も行われたという。
シンガポールで見えた関西ディープテックの力
KSAC主導で研究者とともにシンガポールに訪れた今回のプロジェクトで明らかになったのは、関西発ディープテックは日本国内だけでなく、グローバル市場でも大きな可能性を秘めているということだ。イベントに参加したシンガポール人投資家は、「関西の研究者たちが紹介する技術は、シンガポールでは見たことがないものばかりで、その技術力に非常に驚かされました」とコメントし、関西ディープテックの力に感銘を受けたようだ。
今回のイベントを通じて、関西発の高いテクノロジーは、世界の課題解決に向けた力を持つことが示された。これをきっかけに、今後さらに多くの関西企業や研究者が海外市場への挑戦を続け、グローバルな舞台での活躍が期待されている。(36Kr Japan編集部)
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