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電気自動車(EV)を含む新エネルギー車(NEV)の普及が加速するなか、車載電池世界最大手の寧徳時代新能源科技(CATL)は車載電池事業に「大ナタ」を振るう改革を始めた。
今後、乗用車向けの車載電池事業に「グループ制」を導入する計画だという。電池事業のベテランのリーダーが退き、既存制度に「競争システム」を導入するなど、組織改革を行う。関係者が36Krに明らかにした。
CATLに詳しい人物は今回の改革について「すでに実績のあるベテランから、よりやる気のある若手に世代交代を進めるのが目的だ」と分析した。
中国国内の新興EVメーカーは急成長しており、CATLの成長に主要な貢献をしている。スマートフォン大手小米(シャオミ)が展開する「小米汽車(Xiaomi Auto)」や、理想汽車(Li Auto)、華為技術(ファーウェイ)が中堅メーカ-の賽力斯集団(SERES)と共同運営するEVブランド「問界(AITO)」などはCATLのトップ5の顧客に躍り出ており、年間調達額は数百億元(数千億円超)以上に達した。
しかし、新エネ車の市場環境は急速に進化しており、CATLは市場競争の激しさに直面している。関係者によると、同社はさらなる市場シェアの拡大を目指しており、2025年に向けて各部門は搭載量の増加目標を設定している。「少なくとも30%増、50%増という挑戦的な計画もある 」という。
CATLの2024年1~9月期の搭載量は200GWh(ギガワット時)を超え、年間では300GWhに達する見込みだ。もし2025年に50%増を達成すれば、搭載量は500GWhに達し、その規模に対応する生産能力は「800GWhに達するだろう」と関係者は指摘した。
今年、小米の「SU7」や、NIOの第2ブランド「楽道(ONVO)」などのいくつかの爆発的な人気モデルは、最初のサプライヤーとしてCATL以外の電池メーカーを選んだ。しかし、製品の人気に火が付き、注文の急増する結果、そのバッテリーの生産能力が不足し、やむを得ず「CATLに緊急で生産を急いでもらった」という。
優れた生産能力だけではなく、CATLは商品の差別化の面でも優位性を確保できている。同社には、急速充電が可能なリン酸鉄リチウムイオン電池「神行超充電池 (Shenxing Superfast Charging Battery)や、ハイミドルクラス向けの三元系リチウムイオン電池「麒麟電池」、大型のハイブリッド向けの新型バッテリー「驍遥(Freevoy)」などに対応する部門もある。
一方で、その目に見えないライバルの中国新エネ車大手の比亜迪(BYD)も、車載電池事業で急速な進歩を遂げている。韓国の調査会社SNE Researchの2024年7~9月の世界車載電池搭載量データによると、CATLがシェア35.2%で首位、BYDはシェア17%で2位に入った。
BYDは車載電池の内製で、自社車両価格の調達コストを下げた。価格面での優位性を築いたこともあり、今年10月には50万台のという記録的な新車販売を実現し、このままの伸びが続けば、2025年には年間500万~600万台という衝撃的な目標も達成できる可能性がある。
BYDは社内で「車載電池市場シェア3分の1を取りにいく」との目標を掲げているという。2025年には、独自開発のリン酸鉄リチウムイオン電池「ブレードバッテリー」の第2世代を発表すると報じられた。 関係者は「(理論上は10分で完全充電ができる)6Cの急速充電能力を持つ可能性が高い 」と指摘し、CATLの「神行超充電池」と直接競合する可能性が高いとされている。
電池は新エネ車において最も高価な部品で、価格競争の泥沼に沈んでいる自動車メーカーはそのコストダウンへの貢献に期待は大きい。2025年に引き続き血みどろの戦いとなる自動車市場の主要なテーマとなるに違いない。
*1元=約21円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
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