中国航空機大手、中国航空工業集団（AVIC）の特殊飛行機研究所は、独自開発した飛行船「祥雲」AS700の電動型機「AS700D」が21日、湖北省荊門市で試験飛行に成功したと発表した。今回の飛行は、技術の成熟度と原理を検証し、今後の電動飛行艇の開発と応用に向けた技術を蓄積した。

AS700Dは従来の航空エンジンと燃料システムに代わり、先進的なリチウムイオン電池駆動システムやプロペラシステム、推力偏向システム、冷却システムを搭載している。

同機の周雷総設計師は「すべての動力源をリチウムイオン電池にしたことで飛行時の騒音がさらに低減した」と紹介。排出基準が厳しく、着陸場所も制限される自然保護区や生態環境脆弱エリアなどで空中撮影や安全監視、交通管制などを行うのに適していると述べた。

同研究所の責任者の張立賢氏は、世界で環境保護の重要性が高まる中、航空産業のGX（グリーントランスフォーメーション）は必然的な流れだと指摘。同機の開発は2024年2月に始まり、今年1月に離着陸時の地上シミュレーションと全システム連携稼動試験を終えたと紹介した。

AS700Dの最高設計速度は時速80キロで、最高飛行高度は3100メートル、最大乗客は10人（うち操縦士1人）とAS700の設計を踏襲している。【新華社武漢】

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