中国旅行最大手Trip.comが米トリップアドバイザーと合弁会社を設立 さらなるグローバル化を目指す

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中国のオンライン旅行会社(OTA)最大手「シートリップ(携程旅行網、現社名Trip.com Group)」のグローバル化事業に新たな進展があったようだ。

米現地時間の11月6日、シートリップは米旅行予約サイト大手トリップアドバイザーと戦略的提携関係を締結し、グローバルでの協業を拡大すると発表した。合弁会社の設立に加え、グローバルコンテンツおよびコーポレート・ガバナンスについても合意に達したという。

具体的な内容は以下の通り。

■ シートリップの子会社「携程投資控股(Ctrip Investment Holding)」がトリップアドバイザーの子会社「TripAdvisor Singapore Private」と新たに合弁会社を設立。シートリップが合弁会社の実質的な大株主をつとめ、現金による出資と専門的な市場知識を提供する。トリップアドバイザーは合弁会社の40%の株式を保有し、中国事業における長期的な独占ライセンス、コンテンツの使用許可およびその他資産を提供する。

■ 合弁会社では両社が旅行商品の在庫を共有し、合弁会社による事業は「TripAdvisor China」としてグローバルに運営する。両社はグローバルコンテンツに関する協議に合意し、トリップアドバイザーのコンテンツをシートリップの主要ブランド(「Trip.com」「携程旅行網(Ctrip)」「天巡(Skyscanner)」「去哪兒(Qunar)」)などに提供する。

■ シートリップとトリップアドバイザーはコーポレート・ガバナンスに関する協議にも合意。シートリップはトリップアドバイザーに対し取締役1人の指名権を持つ。この権利を維持するため、シートリップは証券取引所の監督部門による審査が通るまでの1年以内に公開市場でトリップアドバイザーの株式を695万株、もしくは最高3億1760万ドル(約350億円)相当を購入する必要がある。

今回の戦略的提携は、シートリップが持つ旅行予約業務での豊富な経験と中国の旅行市場に対する専門的な知識をトリップアドバイザーが持つ豊富な世界中のユーザーレビューやPOIデータベース、旅行目的地の関連商品と結び付けるもので、シートリップのグローバル化ビジョンが踏み出すための重要な一歩となる。

シートリップCEOの孫潔(ジェーン・スン)氏によると、同社の海外事業はまさに拡大中であり、そのためには世界中の旅行商品をシームレスに予約可能にするだけではなく、旅行者による質の高いレビューや写真などをユーザーに提供する必要があるという。

トリップアドバイザーCEOのStephen Kaufer氏は、中国は世界で最大かつ成長の最も速い旅行市場の一つだとみている。今回の提携は同社のグローバルな影響力を拡大させるとともに、シートリップが同社の中国事業で長期的な目標を実現するパートナーとなるだろうと述べた。

※編集部注:シートリップは先月29日付で社名を「Trip.com Group」に変更したが、従来の社名になじみの深い読者を考慮し、本記事内ではあえて「シートリップ」と記述している。
(翻訳・山口幸子)

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