中国平安保険と塩野義製薬、合弁を解消 資本関係は継続

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中国保険大手の中国平安保険グループと、日本の製薬大手塩野義製薬は、共同で設立した合弁会社の経営を終了し、塩野義製薬の完全子会社とすることで合意した。合弁の解消後も、平安保険が塩野義製薬に出資する資本関係は変わらず、引き続き主要株主の一社として関係を維持する。

上海市に本拠を置く合弁会社「平安塩野義」については、平安保険グループ傘下の中国平安人寿保険が保有していた全株式を塩野義(香港)に売却し、同社の完全子会社となった。従来の出資比率は平安人寿保険が49%、塩野義(香港)が51%となっていた。

合弁解消の背景

中国平安資産管理(香港)によると、両社は2024年末に合弁の解消を決定した。双方の企業価値向上を目的としたものだと説明している。今後、塩野義製薬は中国での新薬開発と販売に専念し、平安保険は本来の中核事業に集中する方向だという。

両社の提携は2020年3月に始まり、平安人寿保険が塩野義製薬の株式635万6000株を335億3000万円で取得し、出資比率2%の株主となった。

当初の計画では、合弁会社が中枢神経系の新薬による治療法を中心に、塩野義製薬が保有する2つの新薬について日本を除くアジア地域での独占販売権を取得する。さらに、新薬の研究開発や製造、販売を一体化した事業の推進も予定されている。

2021年7月に平安塩野義が上海市で正式に開業し、医薬品や臨床検査薬、医療機器の研究、開発、販売を手がける事業を展開した。当時、両社は29億4000万元(約600億円)を共同出資して、新薬の研究開発と販売を統合した医療プラットフォームの構築を目指していた。

しかし、市場環境の変化や戦略方針の見直しにより、両社は協力関係の再評価を迫られた。塩野義製薬は新薬開発に注力する製薬企業として、中国市場における新薬開発と販売に経営資源を集中する必要があるとの方針を示した。平安保険は金融およびテクノロジー分野の競争力強化に一層力を注ぐ考えだ。

合弁解消後、中国の国家市場監督管理総局の企業名称登録公告では、「塩野義有限公司」という新会社の存在が確認されており、塩野義製薬が中国での新たな事業展開を進める準備をしていることがうかがえる。

一方、合弁契約は終了したものの、両社の資本関係は継続する形となる。平安保険は塩野義製薬の2.21%の株式を保有しており、6番目の株主として名を連ねている。

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(36Kr Japan編集部)

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