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米スタンフォード大学の「人間中心のAI研究所(HAI)」はこのほど、AIに関する年次調査「2025AIインデックスリポート」を発表した。
最先端AIモデルの開発件数では米国が依然としてリードしているが、米国製と中国製のAIモデルの性能差は急速かつ大幅に縮小している。米国のAI研究組織「LMSYS Org」が開発したベンチマークプラットフォーム「Chatbot Arena」では、2024年1月時点で米国製AIモデルの性能が中国製を9.26%上回っていたが、25年2月にはその差が1.7%に縮まった。
その他の主要なベンチマークでも同様の傾向が見られる。MMLU(大規模言語理解)、MMMU(マルチモーダルタスク理解)、MATH(数学問題解決)、HumanEval(コード生成)では、2023年末時点で米国製が中国製をそれぞれ17.5ポイント、13.5ポイント、24.3ポイント、31.6ポイント上回っていたが、2024年末にはその差が0.3ポイント、8.1ポイント、1.6ポイント、3.7ポイントまで縮小している。
また、中国のAIスタートアップ「DeepSeek」によるAIモデルのオープンソース化の動きが業界に波紋を広げ、クローズドソース優位の構図が変化した。Chatbot Arenaでは、2024年1月時点でクローズドモデルがオープンソースモデルに対して8.0%の性能差をつけていたが、25年2月には1.7%にまで縮小した。
一方、AIへの民間投資については米国のリードが続く。2024年の民間のAI投資額は、米国が1091億ドル(約15兆5000億円)、中国は93億ドル(1兆3000億円)と米国の約12分の1にとどまった。
AI技術の進歩と実用化が進み、世界的にAIへの楽観的な見方が広がりつつあるが、国・地域による温度差は大きい。AIの恩恵がリスクを上回ると回答した人の割合は、中国が83%、インドネシアが80%、タイが77%と多数を占めた。一方、カナダは40%、米国は39%、オランダは36%と低水準で、AIに対して慎重な姿勢を示す人が多いことが明らかになった。
*1ドル=約142円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
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