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13日、中国の新興コーヒーチェーン「瑞幸咖啡(luckin coffee)」が今年第3四半期の決算報告を発表した。売上高は前年同期比539%増、前期比69%増の15億4000万元(約240億円)で、ブルームバーグの予想を上回った。調整後純損失は前年同期比18%増、前期比16%減の5億7400万元(約90億円)で、こちらもアナリスト予想を超えた。
予想を上回る結果を受け、luckin coffeeの株価は同日の取引開始前時点で7%上昇した。
今四半期も引き続き売上高が急激に伸びた背景には、大規模な店舗数増加と商品の拡充がある。決算報告書によると、luckin coffeeは第3四半期新たに717店舗を開業し、総店舗数は3680店に上った。新規客の増加も著しく、今四半期の新規顧客数は前年同期比413%増の3070万人だった。
同社は年末までに総店舗数を4500店とする計画で、第4四半期には約1000店を開業する予定だ。現在のペースからみると目標達成は可能だろう。これを実現できれば第4四半期も大幅に売上高を伸ばすとみられる。
販売商品の拡充を続けている影響で、商品販売数も大幅に増えている。今四半期の月当たり商品販売数は前年同期比470%増の4400万個だった。今期は茶飲料ブランド「小鹿茶(luckin tea)」も立ち上げ、国内各地に20社以上の子会社も設立している。先日はナッツ類に特化した新ブランド「瑞幸堅果(luckin Nuts)」もローンチした。
サプライチェーンの川上・川下や異業種との提携も積極的に進めている。欧州の食品加工業「ルイ・ドレフュス(LDC)」とNFC(非濃縮)果汁ブランド事業での提携関係を築いたほか、真空ステンレスボトルを製造する「哈爾斯真空器皿(Haers Vacuum Containers)」と提携枠組協定を結び、共同で関連グッズの開発を行っていくという。
前四半期決算時のカンファレンスコールで宣言した通り、今四半期は店舗事業で損益分岐点に達した。今期初めて1億8600万元(約30億円)の黒字を達成している。前年同期は1億2600万元(約20億円)の赤字、前四半期は5580万元(約8億6000万円)の赤字だった。これまでデリバリー業務で外部の物流業者を利用していたため、前四半期時点ではデリバリー1件当たり0.8元(約12円)のコストがかかっていたが、これもスケールメリットによって解消した模様だ。
売上高の伸びが著しく、店舗事業でも損益分岐点に達した一方、純損失額も引き続き増えている。その理由としては、今期も新店舗の拡大に注力したこと、コーヒーブランド以外にも茶飲料ブランドの店舗拡大に重点を置いたため、店舗運営コストが跳ね上がったことがある。今後は原材料費の無駄を削減するほか、価格戦略を見直し、技術面で運営効率の向上を支援したり、店舗の対応キャパシティを上げたりして運営コストの圧縮を図っていく方針だが、短期的には黒字化は難しいだろう。
もう一つの理由としては、luckin teaやluckin Nutsなどの新ブランドや新商品のため、多額の広告費を投入している点が挙げられる。従来は適切に抑えられていたマーケティング費用だが、直近2期は顕著に上昇している。前四半期のマーケティング費用は2億4000万元(約40億円)、今四半期は5億5700万元(約90億円)に上っているが、売上高全体が大幅に伸びていることで、バランスはとれている。
今回の決算報告からみると、luckin coffeeは依然として赤字が続いているが、その比率は顕著に下がっていることがわかる。
(翻訳・愛玉)
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