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中国北部を流れる黄河の岸辺では、ドローンが空高く舞い、つり下げて運んだ苗木を崖の急斜面や深い谷にある造林地帯に投下している。陝西省北部の黄河中流に位置する神木市ではここ2年、造林シーズンにこうした場面がよく見られるようになった。低空経済(低高度空域を飛ぶ有人・無人機を活用した経済活動)関連技術の急速な発展と応用場面の創出が続く中、低空経済は新型の総合的な経済形態として、かつてないスピードで人々の日常生活に溶け込みつつある。
2024年以降、低空経済は2年連続で政府活動報告に盛り込まれ、中国経済発展の新たなエンジンになるとみられている。中国西部にある陝西、四川などの省(直轄市・自治区)は比較的良好な航空産業基盤と技術の蓄積を生かし、低空経済という新たな分野で布石を強めている。陝西は航空機の研究開発・製造をカバーする整ったサプライチェーン(供給網)を有し、24年の航空機・無人機製造業の生産額は2000億元(約4兆円)に迫った。四川は航空機の機体や航空機システム、部品、デバイス材料を網羅する全産業チェーンを構築しており、中・大型無人機の産業規模で全国をリードしている。
西部地域はユニークな自然資源と空域資源の面で優れており、空域、文化・観光、政策など優位性を持つ資源を統合することで、応用場面の創出を進め、地域の特色ある低空経済の生態系を構築している。
新疆ウイグル自治区石河子市では今年、低空観光事業が正式にスタートし、ヘリコプター遊覧サービスによって観光客に新たな観光体験を提供している。低空経済と観光を組み合わせることが、西部地域の文化・観光産業の発展を活性化する新たなエンジンとなりつつある。
中国民用航空局によると、中国の低空経済の市場規模は25年までに1兆5000億元(約30兆円)、35年までに3兆5000億元(約70兆円)に達する見込み。【新華社西安】
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