“5分で資料完成” プレゼン生成ツール「AiPPT」、世界2位のアクセス数に AIアシスタント化も推進

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次世代プレゼンテーション作成ツール「AiPPT」を手がける中国系スタートアップ「PixelBloom(像素綻放)」がこのほど、シリーズB3の資金調達を完了した。政府系ファンドの亦荘国投(E-Town Capital)が出資を主導し、英諾天使基金(Innoangel Fund)など複数の投資機関も参加した。

調達した資金は、主力製品のグローバル展開拡大と製品ラインアップの拡充に充てられる。また、AI製品の「エージェント化」を推進し、オフィスツールからインテリジェントアシスタントへの進化を加速する予定だ。

PixelBloomは2018年に設立され、個人と法人向けの次世代AIワークステーションの開発に取り組んできた。現在は、プレゼンテーションの自動生成ツール「AiPPT.cn」(中国版)と「AiPPT.com」(グローバル版)など10種類以上のAIツールを提供している。

AiPPT.com は、AIによるプレゼン資料の自動生成、PDFなどのドキュメントインポートによる生成、デザインの美化などの機能を備えている。AI生成機能では、ユーザーが1つのフレーズを入力すると自動的にアウトラインを作成することができる。調整・確認後にテンプレートを選択すると、AIがわずか1分間で20~30ページのスライド資料を完成する。

同サービスは2023年8月にローンチし、翌24年12月までの1年間で世界のユーザーが1000万人増加した。25年5月には、月間アクセス数が国内外合計で2347万回に達したという。特にAiPPT.comのアクセス数は、AI製品ランキングサイト「aicpb.com」で世界第2位を獲得している。

単なる「ツール」の枠を超えて

AiPPTでは、個人利用だけでなくチームコラボレーションにも対応している。キーワードやテーマを入力するだけでアウトラインを生成するほか、多彩なテンプレートが用意されている。PDFやメモ、マインドマップ、クラウド上に保存したテキストやウェブページのリンクなどをインポートすれば、あとはワンクリックで魅力的なプレゼン資料が出来上がる。

さらに、プレゼン資料の自動生成に加え、クリエイティブアシスタントやデジタルヒューマン機能なども次々と実装し、単なるツールを超えてユーザーそれぞれの考えを代弁する“アシスタント”への進化を遂げつつある。

PixelBloomの創業者で最高経営責任者(CEO)の趙充氏は「教員、学生、オフィスワーカーなどが主なターゲットで、専門的な知識がなくても5〜10分で資料作成と簡単な修正まで完了できる」と語る。

AiPPTを利用する各業界のパートナー企業

PixelBloomは現在、300社以上のエコシステムパートナーを抱えている。たとえば、パソコン大手レノボと提携し、AiPPTをレノボのエコシステムに組み込んだ。同社のAIアシスタント「小天」では、AiPPTがプレゼン資料生成用で唯一の公式アプリとなっている。また、ニュースサイト「人民網」とは、政府機関・企業版を共同開発している。

今後は金融版と医療版も打ち出す計画で、各業界に特化した外部ナレッジベースを構築し、具体的なニーズに応えていく方針だという。

AIオフィスツールのエコシステム構築へ

AiPPT.comの機能

AiPPTは英語、スペイン語、ポルトガル語、日本語、韓国語など15言語に対応しており、180余りの国・地域で利用されている。多くの海外企業もAPIを導入しており、日本発のAI検索エンジン「Felo」では、検索結果からプレゼンの概要が生成され、ワンクリックでプレゼン資料が出来上がる。

PixelBloomは今後、AiPPT事業を基盤にプラットフォーム化を進める戦略の下、オフィス向けAIツールのエコシステム構築に注力していく。投資とインキュベーション(育成)を組み合わせ、コンテンツのAI生成・編集、外部ナレッジベース、業界特化型AI検索など、多様なAIオフィスツールを展開する計画だという。

同社が投資した最初のプロダクト「Ai好記(Readlecture.cn)」の主な機能の一つは動画の内容の要約で、YouTubeやビリビリ動画で配信された2時間のセミナー動画を、5分で読める画像付きのテキストに変換できる。

さらに、AIデバイスも展開し始めている。同社が開発する音声認識機能付きのマウスは、独自のAIソフトを内蔵しており、AIボタンを押しながら話すだけでプロンプトを入力できる。今後はキーボードやイヤホンなどのスマートデバイスにも拡大し、ユーザーにより良いAIオフィス体験を提供していく考えだという。

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(翻訳・田村広子)

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