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中国上海市ではこの夏、日本のアニメ・漫画キャラクターをテーマにしたポップアップストアや店舗が相次ぎ登場した。一連の出店は、製品からビジネスモデルにわたる絶え間ない革新を示すとともに、中国の「2次元」市場の力強い活力を裏付けた。
サンリオファミリーのハローキティは、中国で最も人気のあるキャラクターの一つ。新たにオープンしたコンセプト店では、回転式の巨大なハローキティのオブジェが目を引き、国内各地から来たファンが、ハローキティのネイルアートをし、シンボルのリボンを付け、ピンクのチュチュを履くなどして記念撮影を楽しんでいた。
最も人気を集めたのは、オープン記念で先行販売されたハローキティ「上海朝食」シリーズで、コックや小籠包(ショーロンポー)、生煎包(焼き小籠包)、焼き餃子のキーホルダーなど、上海でおなじみの朝食がモチーフとなっている。
7、8月は上海の複数の商業エリアや商業施設で「2次元」をテーマにしたポップアップイベントが開かれた。上海はSNSアプリ「小紅書(RED)」などで若者から「2次元の聖地」と呼ばれており、中国で最も国際的、革新的な都市で「2次元」経済は文化や商業、観光の融合発展を探る新たな道となっている。
こうしたトレンドの中、中国の2次元キャラクターも存在感を高めている。上海の古い町並みが残る「老城廂」地区の文化を代表する豫園商城は7月15日~8月29日、中国動画配信大手の「嗶哩嗶哩(ビリビリ)」と共同でイベント「豫園夏のファンタジーナイト」を開催。ビリビリで人気の中国アニメ10作品のキャラクターが集結し、中国の伝統文化を現代風にアレンジした「国潮風」と「2次元」の融合が夏の文化観光市場に新たな魅力を添えた。
精進料理のレストラン「春風松月楼」豫園店の姜煒民店長は、アニメ作品「天官賜福」とコラボした上海冷麺セットが1カ月で1000食以上売れたと紹介。「日本や韓国からの観光客も多く来店している。彼らもこの中国作品をとても気に入っている」と話した。
中央民族大学新聞・伝播学院の毛湛文院長は、ここ数年は上海米哈游網絡科技(miHoYo)、騰訊控股(テンセント)、ビリビリなど大手企業が制作したゲーム「原神」「王者栄耀」やアニメ「天官賜福」などの中国発コンテンツが質、市場シェアともに飛躍的な進歩を遂げていると指摘。国産コンテンツは創作力や産業運営、グローバル発信などの面でなお発展の余地があり、現地文化に合わせた物語の改編や異文化間の協力など多様な手法を取り入れることで、海外コンテンツと共に中国の「2次元」産業の規模をさらに拡大していくとの見方を示した。
【新華社上海】
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