ロボット掃除機の中国「ドリーミー」、自動車事業参入で業界に波紋 超高級EVでブガッティを目指す

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中国の大手ロボット掃除機メーカー「追覓科技(Dreame Technology)」(以下、ドリーミー)はこのほど、自動車事業に本格参入し、仏ブガッティが製造していたハイパーカー「ブガッティ・ヴェイロン」をベンチマークに据えた超高級純電気動自動車(EV)を、2027年にも公開する計画だと発表した。

ドリーミーは「高性能・スマート化・高級感」を製品理念に掲げ、自動車分野に長期的かつ本格的に投資する方針。世界の超高級EV市場の新たなベンチマークを目指し、研究開発とイノベーションを一層強化していくという。

自動車部門はすでにスタッフ1000人近くを擁し、組織を拡大している最中だ。同社がこれまで培ってきた高速デジタルモーター、AIアルゴリズム、センサー、制御技術といったコア技術は、電動パワートレインやスマートコックピット、自動運転などに転用できる。2024年末時点で発明特許、実用新案、意匠特許を計6379件出願している。うち45%が発明特許で、センサーフュージョンやモーター制御、ヒューマン・マシン・インターフェースなど、スマートEVの中核技術を幅広くカバーしている。

ドリーミーは2017年に設立された清華大学発のスタートアップで、業界平均を大きく上回る高速モーターやLDSレーザーレーダーによるナビゲーション技術を武器に、ロボット掃除機やコードレス掃除機、高速ドライヤーなどを次々と発売し、注目のテック企業へと成長した。

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企業データサービス「天眼查」の情報では、2025年1月に自動車事業の主体となる「星空計画(上海)汽車科技」を資本金10億元(約200億円)で設立。ドリーミー創業者の兪浩氏が関連会社を通じて80%の株式を保有し、実質的な経営権を握っている。工場は上海臨港新区に建設予定で、周辺には米テスラや車載電池大手の寧徳時代CATL)の工場もある。

2025年はロボット掃除機に端を発したドリーミーの“多角化元年”ともいえる。複数の新規事業を打ち出し、3月に開かれた中国家電・消費電子博覧会(AWE2025)ではエアコンや冷蔵庫、洗濯機などの大型家電も披露した。

中国EV市場は現在、既存大手から新興勢まで群雄割拠の激戦状態にある。そこへきてのロボット掃除機大手ドリーミーの参戦に、業界内外が騒然となっている。数年前にスマートフォン大手の小米(シャオミ)が自動車事業参入を宣言した時の状況を思い起こさせる動きだ。

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同じくロボット掃除機大手の石頭科技(Roborock)創業者の昌敬氏も2021年、EVブランド「極石汽車(Polestone)」を設立。すでに納車を開始しているが販売は伸び悩んでおり、市場に大きなインパクトを与えるには至っていない。

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原文:時代財経APP(WeChat ID:tf-app)、翻訳・編集:36Kr Japan編集部

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