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中国ではここ数年、先進的で使用に適した農業機械の研究開発・応用が加速し、ますます多くのスマート化された設備が農業生産を後押ししている。現在、農業の機械化率が75%を超えており、米・小麦・トウモロコシの三大主要食糧作物の生産は全プロセスの機械化を基本的に実現している。
中国の農業機械産業は急速に発展している。農業機械メーカーの濰柴雷沃智慧農業科技の責任者は、農業の大規模化が進むにつれ、スマート化され、効率的で便利なハイエンドの農業機械に対する需要が高まり続けていると明かす。
中国農業機械工業協会のデータによると、2024年末時点で中国の一定規模(主要業務の年間売上高2000万元(約4億2000万円))以上の農業機械企業は2271社に上った。大手の一部は世界農業機械メーカーのトップグループに入っているほか、一部の中小企業は細分化された市場に専念し、比較的高い市場シェアを獲得している。
研究機関の中商産業研究院が発表したリポートによると、20年から24年までの中国農業機械市場の年平均成長率は7.8%、25年の市場規模は907億元(約1兆9000億円)だった。30年には1467億元(約3兆800億円)に上り、うちスマート農業機械市場の規模は1039億元(約2兆2000億円)になる見通し。
各地方はこのところ、スマート農業機械向けの支援策を打ち出している。黒竜江省はハイエンドスマート農業機械産業の質の高い発展を後押しする20項目の措置を発表した。ハイパワートラクターやスマート農業ロボット、農業用大型運搬無人機(ドローン)などの本体および中核部品の技術開発、省級科学技術計画・プロジェクトの実施を支援するとした。浙江省は農業用ドローンについて、27年までに全ての省級現代化農作業サービスセンターに導入するとの具体的な目標を打ち出した。四川省も農業用ドローンなどの技術開発を行うとする文書を発表した。
中国の「三農(農業、農村、農民)」に関する活動を指導する25年の「中央1号文書」でも、農業機械の質の高い発展を推進する方針が示された。専門家は農業機械の先進性を高めるとともに適用性も強化し、さまざまな地域、作物、規模に適した農業機械体系を形成し、丘陵地帯や山地での使用に適した機械の不足、商品作物の機械化率の低さなど弱点を補う必要があると指摘する。
農業農村部農村経済研究センター当代農業史研究室の楊夢穎研究員補佐によると、農業機械の質の高い発展を推進するには研究開発を強化し、応用面での大きな価値と独自の知的財産権を持つ傑出した科学技術成果をあげるほか、農業機械企業の科学技術イノベーション主体としての地位を固め、中国農業機械業界の中核分野の市場支配力と影響力も高め必要がある。
さらに、人工知能(AI)やビッグデータ、モノのインターネット(IoT)、インダストリアル・インターネット(産業のインターネット)などデジタル技術の応用を進め、今後の農業機械産業発展の方向性に沿い、農業の「新たな質の生産力」(科学技術イノベーションが主導し、質の高い発展を促す生産力)発展に対する需要に合致した技術イノベーションに積極的に取り組む必要があるという。【新華社北京】
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