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11月22日(中国時間)、中国人民銀行上海本部が「仮想通貨取引の取締に関する監督管理の強化」と題する通知を公表した。
当該通知の影響を受け、インターネット上の暗号資産(仮想通貨)の価値が大幅に下落した。一時1ビットコイン=6970ドル(約76万円)にまで下落し、24時間内の下げ幅が11%、2時間内の最大下げ幅が7%となった。
仮想通貨取引情報サイト「Coinmarketcap.com」によると、11月22日の時点で、仮想通貨の時価総額は1941.8億ドル(約21兆円)に下落した。
人民銀上海本部が仮想通貨取引の取締強化
人民銀上海本部の通知によると、近年、仮想通貨に関する投機的行為により、価格の変動が激しくなり、リスクが高まっている。取引ルールに違反する形で投資家に資金もしくはビットコイン、イーサリアム等の仮想通貨で出資をさせることは、実質的に違法な公開資金調達行為に該当し、トークンや証券の違法発行、違法な資金調達、金融詐欺、マルチ商法などの犯罪の疑いがあり、経済金融秩序を乱しているという。
同通知によると、ブロックチェーン技術の応用の拡大につれ、仮想通貨に関する過度な宣伝が増加しつつある。そのため、中国政府の要請に基づき、上海市は今後仮想通貨取引の取締を強化する予定であり、国外で登記した仮想通貨取引プラットフォームのためにプロモーションや仲介サービスを提供する企業は、発見し次第直ちに業務改善やサービス停止を命じるという。また、今後も引き続き仮想通貨取引に対するモニタリングを強化する。投資家に対しては、仮想通貨を使用した事業活動や、海外に設置されたサーバーを使い中国国内向けに取引サービスを提供していることを発見した場合、管理監督部門に情報提供することを呼びかけている。犯罪の疑いがある場合は直ちに警察へ通報することも可能だ。
「澎湃新聞(The paper)」の報道によると、上記ニュースの発表前から、上海市では既に仮想通貨取引に関する取締を行っていた。
各地で同時に取締強化
実際に今回の人民銀上海本部の通知発表前から、中国各地で仮想通貨およびその取引所に対し頻繁に取締キャンペーンが行われていた。
11月21日に、深圳市では違法な仮想通貨取引に関するリスク提示を発表した。関連機関に対し11月25日までに情報を洗い出し、同市のインターネット金融取引管理部門に仮想通貨取引に従事する企業リストと情報を提出するよう求めている。
11月22日の時点で、深圳市の地方金融管理監督局が金融取引リスク管理プラットフォーム(テンセントが開発した「霊鯤システム」)を通じて、違法に仮想通貨取引に従事する企業39社を摘発したという。
強力な取締により、北京に拠点を置く仮想通貨取引所BISS等、複数の取引所が閉鎖された。
また、11月21日の時点で、海外メディアの「The Block」は仮想通貨取引所の「Binance(バイナンス)」の上海オフィスが警察の捜査を受け閉鎖したと報道したが、バイナンスは上海に専門のオフィスを置いていないと否定したという。
他の取引所も続々と閉鎖されるのか、また、ビットコインは市場価値が6000ドル(約65万円)以下に下がるのか、暗号資産取引市場の行方はどうなるのか、関連業者は不安を抱えながら日々を過ごしている。
(翻訳:小六)
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