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中国の電動二輪車メーカー「首駆科技(FirstDrive)」がこのほど、エンジェルラウンドで約1億元(約21億円)を調達した。資金はスマート機能を搭載した車体の開発、独自スマートシステムの改良、新国家基準に適合した電動自転車の量産、並びにグローバル展開の加速に充てる。
同社は2025年3月設立。短距離向けのスマートモビリティに特化しており、製品レンジは電動自転車に加え、スクーター、オートバイ、オフロードまで幅広く、若年層を主なターゲットに据える。主要製品は5000元(約11万円)から50万元(約1100万円)超まで幅広い価格帯をカバーし、特にミドル・ハイエンド市場を主戦場に位置付ける。
電動二輪車は経済的かつ便利で、環境にやさしいことから、都市の短距離移動で主流となりつつある。2024年末時点で、中国の電動二輪車の保有台数は4億台を突破、年間販売台数は5000万台を超え、市場規模は1000億元(約2兆1000億円)を上回る。中国で電動自転車の国家基準が一部改訂されたことに伴う買い替え需要や、東南アジア・インドなど海外市場の拡大により、27年には世界の市場規模が8000億元(約17兆円)を突破する見込みだ。
しかし、業界には課題も山積している。激しい価格競争で利益が圧迫され、中小ブランドの淘汰が加速しているほか、充電インフラ不足やバッテリーリサイクル体制の不備が持続可能な成長を阻む壁となっている。さらにスマート化やネットワーク化が進んでおらず、従来型メーカーの開発力では技術進化のスピードに追いつけないのが現状だ。
首駆科技はこうした課題に対し、技術と体験の両面から打開を図る。同社はアルゴリズム構造、最大出力、動作効率、フレーム耐久性など100項目以上の技術指標で優位性を確立し、世界のサプライヤー200社以上と協力して開発を進めてきた。さらにAIアルゴリズムを駆使し、次の3分野で技術的なブレークスルーを目指している。
・バッテリー管理:AIがバッテリーセルの状態をリアルタイムに監視し、充放電を最適化することで、航続距離を10~15%向上。
・モーター性能:磁気回路設計や巻線構造、温度制御システムを最適化し、同クラスの製品に比べて最大出力を5~10%増強。
・車両監視:車両に搭載したスーパーレーダーシステムが、周囲の環境やユーザーの状態を常時把握し、予防安全を強化。
スマート技術の導入にも重点的に取り組んでおり、スマート動力システムやスマートシャシー技術などの開発を進めている。自社OS「S-Smart」はヒューマン・マシン・インタラクション、環境認識、車両レスポンスを統合し、「よりスマートで快適な走行体験」を狙う。
*1元=約21円で計算しています。
(翻訳・畠中裕子)
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