36Kr Japanで提供している記事以外に、スタートアップ企業や中国ビジネスのトレンドに関するニュース、レポート記事、企業データベースなど、有料コンテンツサービス「CONNECTO(コネクト)」を会員限定にお届けします。無料会員向けに公開している内容もあるので、ぜひご登録ください。
セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録
AIの進化により解決不能と考えられていた課題への挑戦が現実味を帯びてきた。
遺伝性疾患の治療、都市交通の革新、グリーンデータセンターの構築など、AIがもたらす変革の可能性は急速に広がっている。国連貿易開発会議(UNCTAD)によると、世界のAI市場は2033年までに4兆8000億ドル(約710兆円)に達する見通しだ。各国がAIを社会や産業の基幹領域に応用する動きはかつてないスピードで進んでいる。
こうした背景のもと、世界最大級のテックおよびAIイベント「GITEX GLOBAL 2025」が、10月13日から17日までドバイ・ワールド・トレードセンターで開催される。45回目を迎える本大会は、バイオテクノロジー、フィジカルAI(現実世界の動きを認識して最適な行動を起こす人工知能)、量子コンピューティング、半導体、データセンターといった分野に焦点を当て、これらの領域での著しい技術進展を紹介する。
【ドバイ現地レポ】中東最大のテックイベント「GITEX GLOBAL 2024」に世界6500社集結、日本スタートアップも注目
世界180カ国から6800社、2000スタートアップが参加
GITEX GLOBAL 2025には、6800社を超えるテック企業と2000社のスタートアップが出展。参加国は180カ国にのぼる。主な出展企業には、アリババクラウド、AMD、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)、Dell、e&、G42、グーグル、ファーウェイ、IBM、マイクロソフト、オラクル、セールスフォース、シーメンス、Snowflakeなどが名を連ねる。さらに、セレブラス、Datadog、三菱電機、クアルコム、リタール、タタ・エレクトロニクス、テレコム・イタリアなども最新のイノベーションを披露する。
スタートアップ展示「Expand North Star」も同時開催
一方、GITEXと並行して、ドバイ商工会議所主催のスタートアップ展示会「Expand North Star」も10月12日~15日にドバイ・ハーバーで同時開催される。世界各国から約2000社の有望スタートアップが参加する予定で、1兆1000億ドル(約163兆円)の資産を運用する1200人超の投資家と商談を行う。成長・レイターステージ企業の比率が世界で最も高い展示会として位置づけられている。
スーパー・データセンター:未来のAI工場
BofAリサーチによると、2025年の世界データセンター投資額は5000億ドル(約74兆円)を突破する見通し。GITEX GLOBALでは、この分野における世界有数の投資機関「O’Leary Ventures(オリアリー・ベンチャーズ)」が登壇し、カナダで建設中の世界最大級AIデータセンター産業パークを紹介する。
中東・北アフリカ地域(MENA)最大のハイパースケールデータセンター企業であるKhazna(G42グループ傘下)のCEO、ハッサン・アルナクビ氏も登壇し、「AIの巨大工場化」に対応するため、インフラ・エネルギー・政策の拡充速度が追いつくかどうかをテーマに議論を主導する。
フィジカルAIの進化
Tensor社は、世界初のパーソナル・ロボカーをGITEX GLOBALで公開する。「車輪の上のエージェントAI」として世界的な注目を集めている。またK2社は、産業環境向けのヒューマノイドやコンセプト車両を発表。ロボティクスAI市場は2031年までに940億ドル(約14兆円)規模(約4倍)に拡大すると予測されており、フィジカルAIが産業生産性と競争力を支える中核技術となることを示している。
ほかにも、IBMが新たな量子システム「Quantum System Two」を発表。大規模でフォールトトレラント(耐障害性)を備えた量子コンピューティング実現への重要な一歩となる。また、ニューヨーク証券取引所に上場する世界初の純粋な量子コンピューティング企業IONQも出展する。
「AIが人類の課題解決と交差する時代」
ドバイ・ワールド・トレードセンター(DWTC)エグゼクティブ・バイスプレジデントのトリクシー・ローミルマンド氏は、「データセンター、バイオテクノロジー、量子技術、ロボティクスといった未来の重要産業では、AIの創造性が人類の差し迫った課題と交わりつつある。GITEX GLOBAL 2025は、これらの変革技術に新たな推進力を与え、産業界と世界経済全体におけるイノベーション主導の進歩を促す場になるだろう」と語る。
詳細は公式サイト: www.gitex.com
(36Kr Japan編集部)
36Kr Japanで提供している記事以外に、スタートアップ企業や中国ビジネスのトレンドに関するニュース、レポート記事、企業データベースなど、有料コンテンツサービス「CONNECTO(コネクト)」を会員限定にお届けします。無料会員向けに公開している内容もあるので、ぜひご登録ください。
セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録