中国・清華大学、全固体電池で新型電解質を開発 “安全性×高密度”の両立へ

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全固体電池は、その高いエネルギー密度と安全性のポテンシャルにより、次世代二次リチウム電池が目指す方向性として高く認識されている。

清華大学化学工程系の張強教授が率いるチームはこのほど、リチウム電池用ポリマー電解質の研究分野で重要な進展となる、新型のフッ素含有ポリエーテル電解質の開発に成功した。この電解質は、熱誘導による「その場重合」技術(熱を利用して必要な場所で直接ポリマーを作る方法)により、固体界面の物理的接触とイオン伝導能力を効果的に強化したもので、高安全性・高エネルギー密度の固体リチウム電池の開発に新たな考え方と技術的支援を提供するものだ。関連成果は英科学誌「ネイチャー」のオンライン版に発表された。

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この電解質を用いて組み立てられたリチウムリッチマンガンベースのポリマー電池は、最適化された界面性能により、優れた電気化学的性能を示した。この電解質をベースに構築した8.96アンペア時(Ah)のポリマー系パウチフルセルは、1メガパスカル(MPa)の外圧を加えた状態でエネルギー密度が飛躍的に向上し、604ワットアワー毎キログラム(Wh/kg)に達し、現行の商業用電池を大きく上回った。

さらにこの電池は、満充電状態での針刺し試験と120℃の高温恒温槽での静置試験(6時間)を問題なく通過。燃焼や爆発は発生せず、優れた安全性を示した。今後、この研究成果は成熟した固体電池製品の開発に重要な技術的指針を提供することが期待されている。

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(36Kr Japan編集部)

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