病院も顔パス 中国は電子健康保険証発行 Wechatとアリペイで取得可能

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病院も顔パス 中国は電子健康保険証発行 Wechatとアリペイで取得可能

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新華通信社によると、11月24日、中国国家医療保障局が全国医療保険電子証憑(しょうひょう、証拠=領収書、請求書、注文書、契約書、見積書などの書類)システムをローンチし、中国初の電子医療保険証を発行した。今後、病院での受付、薬の購入などは、スマホもしくは顔認証で行うことが可能になる。

同システムは河北、吉林、黒龍江、上海、福建、山東、広東の7つの省もしくは直轄市の一部都市で段階的に実施され、現在20近くの都市の一部薬局と病院で保険適用の支払いに利用できるようになっている。国家医療保障局の担当者によると、電子医療保険証はまもなく全国で展開される予定で、今後は省を跨ぐ利用も目指しているという。

これまでは、都市や病院ごとにそれぞれの診察券があり、互換性がなく、患者にとって負担となっていた。今後電子医療保険証が使えるようになった場合、領収書、医療保険証、診察券などさまざまな機能が一体化され、複数種類のカードや証憑を携帯する必要がなくなり、医療保険の精算も簡便化される。

電子医療保険証はオンライン医療保険サービスを利用する際の唯一の身分証明方法である。医療保険の加入者が国家医療保険アプリもしくはアリババ傘下の支払いアプリ「支付宝(アリペイ)」で、「電子医療保険証」を検索し、顔認証をパスすれば、保険証を入手できる。また、SNSアプリ「微信(Wechat)」で「私の医療保険」の公式アカウントをフォローしても電子医療保険証をアクティベートできる。電子医療保険証が利用できるようになったら、医療保険の照合、保険加入登録、支払いの精算等のすべての医療保険関連業務が行える。

また、アリペイで同サービスを利用する場合は、若干のキャッシュバックがある。Wechatも同様のサービスを提供している。

上海の医療保険証を持っている本記事の筆者が、Wechatとアリペイのそれぞれの方法で電子医療保険証の取得を試みた。しかし、上海では既にサービス利用可能だとと宣伝されているものの、まだ実際には電子医療保険証の取得はできないようだ。また、国家医療保険アプリはアップルストアからは入手できない。実際に利用可能となるまで、まだ時間がかかるようだ。

一方、患者が電子医療保険証をスマホと紐付けた場合、スマホを紛失した際の個人情報の漏洩も懸念される。国家医療保障局はこの点について、電子証憑のオンライン認証、国内技術による暗号化アルゴリズム、データの暗号化伝送、動的QRコードなどの技術が個人情報と医療保険基金の安全性を保てると説明している。

昨年の12 月 21 日、中国国家衛生健康委員会が「電子健康カードの普及と応用実施の加速に関する意見」を発布し、中国における全国統一の電子健康カードの普及を提案した。

その後の1年間で、電子医療保険証の開発はほぼ完成し、7つの省もしくは直轄市で医療保険基礎データの収集が完了し、2.2億人の加入者の電子医療保険証が作成された。16の都市で応用テストを完了し、一部病院と薬局では電子証憑での医療サービスが実現できたという。

(翻訳:小六)

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