“考えるカメラ”「Looki」、1000万ドル調達。AIが自動で撮影・編集するウェアラブルVlogデバイス登場

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人工知能(AI)を搭載するウェアラブルデバイスを開発するスタートアップ「Looki」はこの半年間に、エンジェルラウンドとその追加ラウンド、プレシリーズAの3回にわたり資金調達を実施し、調達額は1000万ドル(約15億円)を超えた。イスラエルのベンチャーキャピタル・Earth and Beyond Venturesが主導し、既存株主のベルテルスマンアジア投資基金(BAI)やAlpha Startups、青島同歌創業投資管理も追加出資した。調達した資金は製品開発やチーム拡充に充てられる。

「ストーリーモード」で日常を“理解する”AI

Lookiは世界初のマルチモーダルAIウェアラブルデバイス「Looki L1」を開発し、2025年9月に199ドル(約3万円)で販売を開始した。

一見、ペンダント型のカメラのようだ。小ぶりで重さわずか30グラム、ストラップで首から下げたり、マグネットで胸元に装着したりして使用する。主な用途は動画撮影とAI解析だが、単なるアクションカメラやChatGPT搭載端末とは異なる。

「Looki L1」は、視覚・音声・環境データを統合的に理解するAIデバイスであり、ユーザーの周囲の物理世界をリアルタイムで認識し、文脈に応じた応答や提案を行う。ユーザーはまるで“自分専属のAIパートナー”と対話しているような感覚を得られる。

「ストーリー・モード」にすると、断続的に動画を撮影して最長12時間分のライフログを記録する。マルチモーダルAIが映像や音声、周囲の動きなどを解析し、自動でハイライト動画やVlogを生成する。従来の“記録するカメラ”から、“理解して再構築するAI”への進化を実現している。

生活に溶け込む「Looki L1」

創業者兼CEOの孫洋氏は、「Looki L1はAIネイティブのプラットフォームであり、ライフログはその一機能にすぎない」と語る。

そのうえで、「AIを人々の生活に溶け込ませ、チャットの枠を超えた新しいインタラクションを実現したい。パーソナルAIは、物理世界で自律的にプロンプトを生成し、ユーザー固有の文脈(パーソナルコンテキスト)を築くことで初めて成立する。次世代のAIと人間の関係は、言葉ではなく“感覚的な共鳴”でつながるようになる」と指摘する。

Lookiが目指すのは、物理世界を理解するAIだ。現段階ではハイライト生成や自動編集が中心機能だが、利用時間が増えるにつれAIはユーザーを深く理解し、健康管理、子育て、ライフスタイル提案など、より個別化されたサポートを提供できるようになるという。

開発チームは、「Looki L1」を人とAIの新たなインターフェースと位置づけている。カメラを通じて世界を“見る”ことでAIが環境を学び、人間と“感じ合う”次世代のウェアラブルデバイスとして進化を続ける。

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(翻訳・36Kr Japan編集部)

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