世界のヘリメーカー、天津に集結 中国「低空経済」市場をめぐる協力競争が加速

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中国天津市で16~19日、第7回中国天津国際ヘリコプター博覧会が開催された。会場には、世界のヘリや無人機など、ゼネラルアビエーション(一般航空)や、低高度空域を飛ぶ有人・無人航空機を活用した経済活動「低空経済」分野の新技術、新製品、新成果が集まった。ヘリ分野の大会では世界第2の規模を誇るこのイベントには、20数カ国・地域から企業400社以上が参加した。欧州や米州などの主要ヘリメーカーが一堂に会し、急成長する中国の低空経済市場に焦点を当て、新たな協力の機会を求めた。

一般航空会社の中国通用航空は会期中、イタリアの防衛大手レオナルドから、初めてAW139型ヘリコプター1機を受領した。同社は現在、レオナルドのAW109SP型ヘリ3機を運用している。

レオナルドでインド・中国マーケットを担当するクリスチャン・グラース氏は「中国が低高度空域の開放を進めており、私たちはその進展を注視している。中国市場の開拓に力を入れており、中国の発展の一部になることに大変関心がある」と語った。

多くの国際ヘリメーカーにとって、中国市場の大きな魅力は顕在化しつつあり、中国への投資強化や事業拡大は重要な選択肢となっている。

中国に古くから進出しているフランス航空機エンジン大手のサフラングループは、中国で稼働中のエンジンが600基を超えた。同社は会期中、中国航空機大手の中国航空工業集団(AVIC)が開発する民間用大型多用途ヘリコプター「AC313A」に、同社のAneto-1Cエンジンを提供すると発表した。双方の約50年にわたる協力が、また一つ形になった。

サフランの中国区総代表も務める中国法人CEO(最高経営責任者)の賀明氏は「中国がサフランの重要な戦略的市場であると同時に、グローバル産業チェーンの重要な構成要素でもある」と述べた。

同社はこの50年近く、中国の航空機、ヘリ、エンジン事業に積極的に参画し、中国の航空大手やAVICや中国航空発動機集団、中国商用飛機などの主要航空機関連企業とパートナーシップを結んだ。また、航空会社の中国国際航空や中国東方航空と共同で、航空機のMRO(メンテナンス・修理・オーバーホール)センターを立ち上げた。

賀氏は「会場で、中国一般航空市場の活発さと勢いを実感した。中国と海外のヘリ産業の協力窓口であるこのイベントを通じ、中国の一般航空産業の協力相手と深く提携すると同時に、中国ヘリ市場の発展に頼りになる支援を提供することで、ヘリが多くの産業の発展に寄与するよう願っている」と期待を込めた。

最近発表された「民間用ヘリの中国市場予測年次報告書(2025~34)」は、中国の民間用ヘリの保有機数が29年に1700機を超え、飛行時間は30万時間を上回ると予想。向こう10年間、飛行時間は増加傾向を維持するとの見通しを示した。

ヘリメーカー、エアバス・ヘリコプターズの中国現地法人のマネージングディレクター、コリン・ジェームズ氏は、同社にとって中国は一貫して重要な戦略的意義を持つ市場だとする。

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中国南方航空集団傘下の一般航空会社、南航通用航空は会期中、エアバス・ヘリコプターズとヘリ購入に関する契約を結んだ。海洋エネルギー作業用ヘリのH160型機を1機調達する。ヘリは26年に運用開始する計画で、南航通用航空の海上輸送力の向上が期待される。ジェームズ氏は「双方にとってエキサイティングなマイルストーンとなる」と発言。中国のヘリ産業エコシステムに積極的に溶け込み、中国と長期的でウィンウィンなパートナーシップの構築に力を入れているとし、「協力・ウィンウィンこそが正しい発展戦略だ」と語った。【新華社天津】

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