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中国の画像処理半導体(GPU)メーカー「沐曦集成電路(METAX)」が10月24日、上海証券取引所上場審査を通過した。近く同取引所の「科創板」に上場する。新規株式公開(IPO)で約39億元(約820億円)を調達する計画だという。
沐曦は2020年9月に設立され、上海市に本社を置く。近年の中国を代表するGPUスタートアップのうちの1社で、主力製品としてAI推論向けの「曦思N」シリーズ、汎用コンピューティング向けの「曦雲C」シリーズおよびレンダリング向けの「曦彩G」を打ち出している。
他の中国GPUメーカーと同様、沐曦も研究開発費が重荷となり、黒字化には程遠い段階にある。目論見書によると、2022年から24年の売上高は、42万6000元(約890万円)、5302万元(約11億円)、7億4300万元(約160億円)と順調に増加。一方で、純損失は7億7700元(約160億円)、8億7100元(約180億円)、14億元(約290億円)と徐々に膨らんでいる。25年1~6月の売上高は9億1500万元(約190億円)に拡大、純損失は1億8600万元(約40億円)に縮小した。
中国のGPU産業は近年、政策支援とAIブームを背景に爆発的な成長を遂げている。また、大規模言語モデル(LLM)の学習やAI推論、データセンター、自動運転などの分野では、高性能・高効率な演算チップの需要が急増している。さらに、米NVIDIA(エヌビディア)の高性能GPUが輸出規制を受けているため、国産代替品の需要も高まっている。
こうした背景の下、沐曦や摩爾線程(Moore Threads)、壁仞科技(Biren Technology)などのGPUメーカーが、中国のコンピューティング力エコシステムを支える柱となっている。今回の沐曦の上場審査は、摩爾線程の上場(上場審査通過まで3カ月弱、調達額約80億元=約1700億円)とほぼ同時期に実施されており、金融当局が高性能チップの国産化を積極的に支援する姿勢が鮮明になった。
*1元=約21円で計算しています。
(36Kr Japan編集部・茶谷弥生)
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