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中国発のスマートキッチン家電メーカー「栗上(LISSOME)」がこのほど、プレシリーズAで1000万元(約2億円)以上の資金調達を実施した。出資は、香港科技大学(HKUST)の高秉強教授と高鋒耐心資本(Peak Patience Capital)が主導。資金は、製品開発やチーム拡充、市場開拓、サプライチェーンの整備などに充てる。
LISSOMEは、スタートアップ支援拠点「XbotPark」のインキュベーションを受けて設立された企業で、キッチン家電とフードテックに特化している。ロボット、センサー、モーションコントロールなど幅広い技術を有し、これまでに30件以上の特許を出願した。今年6月に発売したカプセル型食器洗い機「R1」は、その革新的なデザインで高い評価され、テクノロジー見本市CES2025では「最もクールな七大製品」に選ばれた。
少人数世帯の増加や生活の質向上への関心の高まりを背景に、従来のビルトイン型や大型のキッチン家電は、次世代ユーザーが求める利便性や効率性、省スペースといったニーズに十分応えられなくなっている。一方で、食器洗浄機市場は引き続き大きな成長が見込まれる。調査会社Data Bridgeによると、2024年の世界のスマート食器洗浄機市場規模は51億3000万ドル(約8000億円)で、32年には110億8000万ドル(約1兆7000億円)に上り、年平均成長率が10.1%に達する見通しだ。
コンパクト設計の「R1」は幅がわずか28cmで、複雑な配管も要らず、すぐに使えるのが特長だ。人工知能(AI)搭載ロボットのコンセプトを採用し、独自のモーター駆動式スプレーアームや高圧ポンプを組み合わせることで、全方位からの洗浄や15分間の急速洗浄を実現した。
小型食器洗浄機は内部構造の高度化が求められるため、従来の大型食器洗浄機のサプライチェーンを利用することができない。創業者のスティーブCEOは「R1」に搭載されている水圧10万Paの高圧ポンプを例に挙げ、「これほど小さいポンプは食器洗浄機に使われてこなかったため、我々はポンプの設計から金型の開発、耐熱テストに至る全ての工程を手がけなければならなかった」と説明する。
「R1」にはハイエンド機能が複数搭載されている。自動開扉による2分間の急速乾燥や洗剤自動投入(1回の洗剤補充で2週間以上使用可)、高温(70度)洗浄、紫外線殺菌、プラズマ脱臭のトリプル消毒機能など、1台で食器洗い、野菜・果物洗浄、哺乳瓶消毒、乾燥・脱臭の4役を担う。
スティーブCEOは「1万元(約22万円)クラスのハイエンドモデルにある機能を、コンパクトで手頃な価格帯で実現した」と話す。今後は、AIとロボット技術をさらに深く融合し、キッチンを中心とした生活空間全体のスマート化に向け、新たな価値創造を進めていく方針だ。
*1元=約22円、1ドル=約155円で計算しています。
(翻訳・大谷晶洋)
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