中国のデジタル企業、海外展開を加速 “輸出”から“根付くビジネス”へ進化

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中国天津市に本社を置く留学生向け宿泊サービス予約プラットフォーム「異郷好居(Uhomes)」はこのほど、英国不動産開発会社ビータ・グループ(VITA GROUP)傘下で英国とスペインで高級体験型学生マンションを展開する「ビータ・スチューデント(VITA STUDENT)」と、物件拡充・サービス向上・ブランド提携などで新たな協力協定を締結した。ビータ・グループのマックス・ビールビー最高執行責任者(COO)は「この協力によって、中国のデジタルサービス企業の強みを生かし、世界中の留学生により便利で質の高い宿泊体験を創出していく」と述べた。

天津異郷好居の創業者兼最高経営責任者(CEO)の印建坤氏は10年前に「異郷好居」を設立した。現在、同社はサービスネットワークを英国、米国、カナダなど世界27の国・地域にある約2000の大学へと拡大している。今年、異郷好居はシンガポールと韓国に子会社を設立し、香港のチームもほぼ規模が整った。

現在、電子商取引(EC)や計算力(コンピューティングパワー)、デジタル文化クリエーティブの海外展開など新たなモデルが次々と登場し、中国のデジタル経済の海外協力プロジェクトは世界各地に広がっている。天津に拠点を置き企業の海外展開を支援する「津品跨境」の創業者・万暁文氏はその動きの参加者であり、受益者でもある。ここ数年、山東省青島市にある「中国-上海協力機構(SCO)地域経済・貿易協力モデル区」が構築した越境ECエコシステムの恩恵を受け、同社のウズベキスタンにおける越境EC事業は拡大を続けている。

万氏は「デジタル化の推進により、越境ECは貿易効率を大幅に向上させており、当社の貿易額は昨年、2.3倍に増加した」と説明。ウズベキスタンの大学と共同で越境EC人材育成拠点を設立し、中央アジアのECプラットフォームとのデータ連携を深化させ、年間輸出額1億元(約22億円)突破の目標達成を目指すと明らかにした。

中国のアパレル系越境EC大手「SHEIN(シーイン)」はメキシコに現地倉庫と運営センターを設立し、物流効率を高めると同時に現地消費者とのつながりを強化している。中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)、IT大手の騰訊控股(テンセント)傘下のクラウドサービス「騰訊雲(テンセントクラウド)」などの企業も海外で現地データセンターや技術支援チームを展開し、ユーザーの定着度や市場認知度を高めており、ますます多くのデジタル経済分野の中国企業が海外市場へ大きく歩みを進めている。

中国発「SHEIN」「Temu」、トランプ関税で欧州に活路

今年9月2日、中国・SCOデジタル経済協力プラットフォームが天津で正式に発足した。同プラットフォームは、デジタル産業協力、データインフラの相互接続、データ標準とプロトコルの相互承認、デジタル人材育成、デジタル技術研究開発などの重点分野を中心に、中国とSCO関係国とのデジタル経済分野における国際協力のさらなる深化を後押ししていく。【新華社天津】

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