セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録
ロボット掃除機「ルンバ」で知られる米iRobot(アイロボット)は現在、多額の負債を抱え、事業の継続が困難になっている。アイロボットが公開した資料によると、中国の製造委託先「杉川機器人(Picea Robotics)」がこのほど、1億9070万ドル(約300億円)の債権を購入した。1億6150万ドル(約250億円)の製造委託費も未払いとなっているため、杉川機器人が最大の債権者となった。債務を解消できるか、あるいは事業の売却につながるかに注目が集まっている。
アイロボットは2018年まで一貫して中国企業に製造を委託していたが、米国の関税政策や貿易摩擦の影響を避けるため、19年末にマレーシアでの製造を開始。しかし、22年に同国での製造を拡大したことで、関連コストとリスクが増大した。その一方で、中国の新興ロボット掃除機メーカーが台頭し、スマート技術とコストパフォーマンスの高さを武器にアイロボットのシェアを奪っていった。
米調査会社IDCによると、2025年1~9月のロボット掃除機の世界出荷台数は、1位が石頭科技(ロボロック)、2位が科沃斯(エコバックス)、3位が追覓(ドリーミー)、4位が小米(シャオミ)、5位が雲鯨(ナーワル)の順だった。1〜5位を中国メーカーが独占し、アイロボットは初めてトップ5から脱落した。

iRobotは21年に営業赤字に転落し、22年にはさらに赤字が拡大。米アマゾン・ドット・コムが14億ドル(約2200億円)での買収を提案したが、反トラスト法審査が難航し、24年に買収を断念した。25年7~9月期決算は、売上高が前年同期比26.47%減の3億7500万ドル(約590億円)、純損失は90%増の1億3000万ドル(約200億円)だった。
*1ドル=156円で計算しています。
(36Kr Japan編集部・茶谷弥生)
セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録




フォローする
フォローする



