データセンターは「組み立て式」へ。中国EPG、AI需要で1億ドル調達

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モジュール型データセンター(MDC)ソリューションを手がける中国企業「易普集(EPG)」がこのほど、シリーズBで約1億ドル(約160億円)を調達した。Forebright(光遠資本)と米Silicon Peakが出資を主導し、高瓴创投(GL Ventures)、紐爾利資本(NRL Capital)、雲鋒基金(Yunfeng Capital)、星航資本(Rockets Capital)も参加した。

調達資金は、生産能力の拡大や運転資金の補強、海外展開の推進に充てる。生成AIの普及に伴い高電力密度のAIデータセンター需要が急拡大するなか、供給体制を強化する。

EPGは2004年に設立され、プレハブ型MDCソリューションの提供に注力してきた。発電・配電・IT・冷却の四大コアモジュールの組み立て・テストを工場内で終わらせ、現場に運んだ後は接続と調整をするだけで済むため、データセンターの工期短縮とコスト低減につながる。さらに納入プロセスを標準化し、各国に分散するデータセンター資産を顧客が一元管理できる体制を整えている。

世界のデータセンター業界は現在、効率向上という大きな課題に直面している。とくに東南アジアや欧州などの地域では、現地のサプライチェーンが弱いことに加え、専門人材も不足しているため、従来型の建設方法では工期とコストが増大している。たとえば、マレーシアではデータセンターの建設に通常2〜3年かかり、コストは中国で建設するよりも30%以上高くなるという。

また、AI技術の進歩に伴い、テクノロジー大手はデータセンター引き渡しまでのスピード、電力密度および放熱効率についてより高い水準を求めるようになり、従来の施行方法ではその厳しい要求に応えられなくなっている。

これらの課題に対応するため、EPGは自社開発の液冷システムとディーゼル発電機セットを自社開発した。コールドプレート方式の液冷システムは、独自の管路設計と冷却液を採用することで、次世代の高出力GPUサーバーが必要とする放熱性能を実現し、データセンターの電力使用効率(PUE)を1.3以下に引き下げる。そして、ディーゼル発電機セットがバックアップ電源の供給不足を効果的に解決する。

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AIデータセンターの急発展に伴い、1ラックあたりの電力密度は高まり続けている。EPGは現在、磁気浮上式冷却機など高効率の放熱ソリューションの開発を進めている。すでに、中国ネット大手のバイトダンスやアリババグループ、データセンター大手の万国数据(GDS)などのほか、海外のテック大手やデータセンター企業に供給されている。

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プレハブ化はデータセンター建設のトレンドになるとみられるが、海外に納入できる中国企業は数少ない。そのなかで、EPGは早い時期に海外でのローカライズ能力を確立し、大量出荷を実現した。たとえばマレーシアでは自社工場を設立し、マレーシアのほかシンガポール、タイなどで100人を超える規模のチームを組織。すでにマレーシア消防救助局(BOMBA)の認証や、欧州連合(EU)のCE認証などを取得している。

2025年1月には、日本貿易振興機構(ジェトロ)の支援を受け、神奈川県横浜市にEPGソリューション株式会社を設立。日本国内で高まるデータセンター需要を見据え、低価格・高品質なサービスを提供していく方針だ。

EPGは、中国国内の主要顧客が基準策定をリードしているため、2026年は中国のプレハブ型データセンター市場が爆発的に拡大し始めると予測する。また、コスト競争力を武器に、海外市場への浸透も一段と進む見通しだ。

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*1ドル=約156円で計算しています。

(翻訳・田村広子)

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