テスラに挑む、ファラデーの高級EV「FF91」がCES2020に初登場 年末に量産化か

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中国発EVメーカー「ファラデー・フューチャー(FF)」のコンセプトカー2台が今月6日(現地時間)、米ラスベガスで開催された世界最大のエレクトロニクス見本市「CES 2020」メインホール脇に乗り付け、大勢の通行人の注意を集めた。

お披露目された車両「FF 91」2台のうちグレーの車両は、ファラデー・フューチャーCEOのCarsten Breitfeld氏がロサンゼルスからラスベガスまで自ら運転してきたもので、バッテリー残量はまだ110マイル(約177キロメートル)航続可能な状態だった。現場にいたエンジニアによると、同車種は最も航続距離の長い電気自動車の一つで、米国の道路状況であれば370マイル(約600キロメートル)ほど走ると推定される。容量130kWhのLG電子製バッテリーパックを搭載しているものの、バッテリー管理はファラデー・フューチャー自社開発技術を使用する。

現場のエンジニアによると、今回披露された車は年末に販売される量産モデルの完成形に非常に近いという。BreitfeldCEOはかつてメディアに、FF 91を量産化するには、あと8億5000万ドル(約930億円)が必要と語っていた。FF91は米国で約20万ドル(約2200万円)、中国で約200万元(約3200万円)で販売され、高級車と位置付けられている。2017年以降、すでに6万件を超える注文が入っているが、その中には内金なしの予約も含まれている。

FF91はもともとL2クラスの自動運転機能を搭載する予定だったが、CESに登場した車両はL1.5だった。また、当初の計画ではフロントエンジンカバー(ボンネット)に昇降式のLiDARを搭載、他にもボディにミリ波レーダーやカメラを20個以上搭載するはずだったが、現物はルーフの両側に2個のLiDARを搭載するのみ、他のセンサーについては現時点では不明だ。現在、ファラデー・フューチャーはセンサーメーカーと交渉中だが、自動運転のための最終的なソフトウェアおよびハードウェアのソリューションは、自社で完成させるということだ。

米テスラなどの製品と比較して、FF91は車内の操縦性、居住性、およびエンターテインメント体験により多くの注意を払っている。その設計理念は「すべてのシートを最高のシートにする」だ。FF91の全車には、後部座席と助手席のエンターテインメント用の超大型ディスプレイを含め、ディスプレイが11個装備されている。

FF91ではナビゲーション、計基盤などの情報をフロントガラスに投影することにより、ドライバーが同時に2つのパネルを見なくて済むようになっている。中でも、コントロールディスプレイは全画面ジェスチャを用いて画面を見ずに操作でき、音声操作にも対応する。

※掲載写真の撮影は36Kr。
(翻訳・永野倫子)

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