スシロー中国、マグロ異物騒動に「シロ」の判定 当局検査で寄生虫否定も、一部店舗は客足“3割減”
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回転ずしチェーン「スシロー」を運営するFOOD&LIFE COMPANIESの中国法人は23日、北京市内の店舗で発生した「マグロへの異物混入」の疑いについて、現地当局による検査の結果、当該マグロから寄生虫は検出されず、国家食品安全基準に適合していると発表した。しかし、一度失墜したブランドイメージの修復には時間を要するとの見方が強い。

スシロー中国は、当局検査の結果として「寄生虫は検出されなかった」と発表
「寄生虫」報道が独り歩き、科学的説明に遅れ
騒動の発端は3月初旬、スシロー北京門頭溝店を訪れた顧客がマグロの赤身に「白い異物」を発見し、「寄生虫の卵ではないか」とSNS上に投稿したことだった。投稿は瞬く間に拡散され、複数の中国メディアも一斉報道。運営会社の株価が一時14%超急落するなど、経営への影響も広がった。
最終的にスシロー側は、事態を重く受け止め、「不快な食事体験」への補償として3004元(約7万円)を支払うことで当該顧客と和解した。
事後調査に当たった食品専門家らは、肉眼で確認できるサイズの白い物体について「寄生虫(卵のサイズは数十マイクロメートル)である可能性は極めて低く、魚体の結締組織やカルシウムの沈着、あるいは冷凍プロセスで生じた結晶である可能性が高い」と指摘している。だが、ブランド側の初期対応は「不快な食事体験」への謝罪に留まり、科学的な根拠に基づく詳細な説明を欠いた。この説明不足が、一部の消費者から批判を招く一因となった。
「行列の王」に陰り、客足減少の店舗も
中国市場で急拡大を続けているスシローは、2024年の北京進出時に「10時間待ち」を記録するなどネットで大きな話題を集め、圧倒的な集客力を誇ってきた。
しかし、今回の騒動を受けて北京などの主要都市では客足への影響が指摘され始めている。現地報道によれば、北京市内の店舗における現地記者による訪問取材の中で、騒動前と比較して客数が「約3割程度」減少したという。また、入店時に食材の安全性を直接確認する顧客が増えているとの声もある。
市場関係者は「実害(食中毒等)がなかったとはいえ、危機管理の甘さが露呈した」と分析する。初期段階で情報の空白を作ったことが憶測を呼び、騒動の長期化に繋がったとみられる。スシロー中国は今後、キッチンの透明化や調理プロセスの公開を強化し、オペレーションの「可視化」を通じて信頼回復を急ぐ構えだ。
*1元=約23円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)