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米アップルは28日(現地時間)、2020会計年度第1四半期(2019年10月〜12月)の決算報告を行った。過去最高の売上高を含む好調な業績は市場の予想を上回るもので、同社の時価総額は1兆3900億ドル(約151兆円)をつけた。同社の株価は同日取引終了後に1%上昇、これに伴って時価総額も1兆4000億ドル(約152兆円)を超えた。
今四半期の売上高は前年同期比9%増の918億1900万ドル(約10兆円)、純利益は同11%増の222億3600万ドル(約2兆4000億円)で、いずれも過去最高となった。これ以前に最高額を記録していたのはiPhone X発表直後の2018会計年度の第1四半期(2017年10~12月)で、売上高は882億9300万ドル(約9兆6000億円)、純利益は200億6500万ドル(約2兆2000億円)だった。
同社の五大市場のうち日本での売上高が10%減となった以外、米国や欧州、大中華圏(グレーター・チャイナ)、アジア太平洋その他の地区でいずれも売上高を伸ばしている。中でも米国は12%増、欧州は14%と二ケタ成長だった。大中華圏でも過去5四半期で初めて増収に転じている。
製品カテゴリ別の売上高をみると、iPhoneは8%増、サービス(定額コンテンツなど)は17%増、ウェアラブル・ホーム・アクセサリ(以下「アクセサリ」)は37%増となっている。iPhoneは4期連続の減収から増収に転じた。サービスとアクセサリはアップルにとって目下の成長エンジンとなっており、総売上高に占める割合はそれぞれ14%、11%となっている。両者を合計すると売上高の4分の1を占めるまでに成長した。反対にMacやiPadは不振だが、アクセサリの伸びがこれを補完し、ハードウェア全体の売上高はiPhone単体と同じ8%増となっている。
昨秋に発表されたiPhone 11シリーズには特に真新しい点はなく、5Gの導入も見送ったものの、価格戦略が功を奏した。標準版のiPhone 11はおよそ50ドル(約5400円)の値下げを敢行し、これが中国をはじめとする新興市場での盛り返しにつながった。iPhoneの売上高は全体の61%を占めるまでに回復し、過去4四半期で初めて6割越えを果たした。
アクセサリの成長を主にけん引したのはワイヤレスイヤホンAirPodsとスマートウォッチApple Watchだ。同社のティム・クックCEOは決算発表後のカンファレンスコールで、ウェアラブルデバイス事業の成長が今四半期は44%に達したことに触れ、中でもAirPodsとApple Watchが新規顧客獲得に大きく貢献したと述べた。Apple Watchユーザーの75%は新規購入者だという。
昨年10月末にAirPods Proを発売したAirPodsシリーズは、2017会計年度の第2四半期以降、アップルの全製品で最も速い伸びを見せており、平均20%以上の急ペースで成長している。米投資顧問会社サンフォード・C・バーンスタインのアナリスト、トニ・サコナギ氏はAirPodsの売れ行きについて「今年も好調が続くだろう」と予想。アップルの総売上高の3.5%を占めるようになるとみている。
※アイキャッチ画像はunsplashより
(翻訳・愛玉)
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