原文はこちら
セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録
2019年12月23日、中国の自動車大手「上海汽車集団(SAIC Motor)」と「広州汽車集団(GAC Motor)」が上海で「包括的な戦略提携協定」を締結した。提携の期間は5年間を予定している。
同協定によると、両社はコア技術の開発、産業チェーン資源の共有、新たなビジネスモデルへの取り組み、海外市場の開拓などで提携する。中国の大手自動車メーカーとしては初の全面的な戦略提携となる。
上海汽車は中国最大の自動車メーカー。2018年の販売台数は前年比1.8%増の705万2000台、売上高は9021億9400万元(約14兆2100億円)、純利益は360億900万元(約5700億円)、総資産は7827億7000万元(12兆3300億円)だった。一方、同じ年の広州汽車の販売台数は7.34%増の214万7900台、売上高は723億8000万元(約1兆1400億円)、純利益は109億300万元(約1700億円)で、上場自動車メーカーのうちトップ5にランクインしている。
2019年の世界の企業収益ランキング「フォーチュン・グローバル500」において、上海汽車は第39位、広州汽車は第189位だった。12月23日の終値ベースで、上海汽車の時価総額は2768億9800万元(4兆3600億円)、広州汽車は1160億9600万元(1兆8300億円)に上っている。
この大手2社が提携したことは想定外だが、必然的な流れとも言える。
自動車販売が落ち込む中、上海汽車と広州汽車は2018年の販売台数が市況と逆行するかたちで増加したものの、どちらも合弁ブランドによる販売貢献が大きく、自主ブランドの勢いが弱かった。2019年1~11月の販売台数は両社とも前年同期を下回り、上海汽車が前年同期比13.33%減の554万台、広汽集団が同4.34%減の187万6100台だった。
「今回の提携はコストの抑制につながるだろう」。自動車業界アナリストの鐘師氏は36Krの自動車関連メディア「未来汽車日報」に対し、「厳しい時期を乗り越えるには、お互いに協力し合う必要がある」との見方を示した。
2019年は自動車業界の再編が進んだ。12月18日には、欧米自動車大手のフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)と仏グループPSAが経営統合で合意。両社は統合を通じてコストを約40%カットし、年間37億ユーロ(約4400億円)のシナジー効果を生み出すと見込んでいる。
(作者・未来汽車日報、Wechat ID:auto-time、張一)
(翻訳・神戸三四郎)
原文はこちら
セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録