ロボタクシーの「WeRide」が走行データ公開、初月の無事故配車数は8396回

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先ごろ、自動運転技術を開発する「文遠知行(WeRide)」と合弁会社の「文遠粤行(WeRide RoboTaxi)」が初めて、自動運転レベル4のロボタクシー試験運用リポートを発表した。文遠粤行は文遠知行、「広州市白雲出租汽車集団(Guangzhou Baiyun Taxi Group)」、「科学城(広州)投資集団(SCI Group)」の共同出資で設立された。

リポートによると、文遠粤行が試験運用を開始した2019年12月1日から31日までの期間に、無事故で配車回数8396回を達成したという。一日あたりの配車回数は平均270.8回で最高438回を記録、総走行距離は4万1140キロメートルで、4683人にサービスを提供したとのこと。

文遠粤行は2019年11月末から広州市で自動運転技術を搭載したロボタクシーの試験運用を開始している。広州市黄埔区と開発区の中心エリア144.65平方キロメートル範囲の公道で運行しており、一般客が利用可能なロボタクシーサービスとしては中国で唯一のものだ。配車アプリ「WeRide Go」をダウンロードするだけで利用でき、申請や審査は不要。

ロボタクシーの営業時間は月曜日から日曜日の朝8時から夜10時まで。12月の時間帯ごとの平均配車回数を見ると、朝晩の通勤ラッシュ時が一番多かったという。1回あたりの平均走行距離は4.9キロメートルだった。白雲出租汽車の従来型タクシーの平均走行距離7.17キロメートルと比較すると少なく思えるが、ロボタクシーは限られた範囲で運行し高速道路走行や空港送迎を行わないことを考えると、従来型タクシーの運行水準にほぼ近いと言える。

画像:文遠粤行

文遠粤行のロボタクシーは任意地点への呼び出しには対応しておらず、既定の乗降場所の中から選んで利用する。文遠粤行傘下のWeRide Goパブリックアカウントやアプリなどから新たな乗降場所の要望を出すことができ、エリア内であることや交通法規に違反しないなどの基本的な要件を満たしていれば承認される。運行スタート時に30カ所あまりだった乗降場所は、現在100カ所以上に増えており、商業施設や官公庁、住宅地、駅などを幅広くカバーしている。

12月中、利用者の94%がサービスに対して最高評価である星5つをつけた。特に「運転が穏やか」、「車内が清潔」、「セーフティードライバー(安全のため運転席に座っているスタッフ)の態度が良い」という評価が多く、ユーザーの30%近くがこれらの項目を選んでいる。低評価のレビューで多かったのは運転やブレーキが不安定、目的地までのルートが不適切という意見で、乗車までの待ち時間が長いことにも改善を求める声が上がっている。

画像:文遠粤行

文遠知行によると、2019年12月までに自動運転のテスト走行距離は115万キロメートルに達したという。テスト走行は確かに重要だが、環境情報や知覚データ、車両の意思決定などに関して最も効果的なデータは、市街地を実際に走行することで初めて得られるものだ。これにより自動運転シミュレーションやトレーニングのために多彩なシナリオを蓄積することができ、車両とオペレーティングとの間でのクローズドループが実現する。

文遠知行の創業者でCEOの韓旭氏は、安全性を確保したうえでセーフティードライバーなしの運行することが量産のバロメーターだと語る。今年は一部のエリアで段階的にセーフティードライバーの乗車を廃止し、文字通り無人運転を行うロボタクシーの実現を目指しているという。

※アイキャッチ画像は文遠知行
(翻訳・畠中裕子)

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