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中国のスマートフォンメーカーOPPO傘下のブランド「realme」が2月24日にオンラインで新製品発表会を行い、フラッグシップモデル「realme X50 Pro」をリリースした。価格は599ユーロ(約7万1000円)から。
一足先に発表されたシャオミのフラッグシップモデル「Xiaomi Mi 10」のスペックと比較すると、両機種ともに米クアルコム社のSnapdragon 865チップと90Hzディスプレイを搭載しているが、充電時間では65wの超急速充電に対応しているrealme X50 Proに軍配が上がる。カメラ性能に関しては、6400万画素のメインカメラと1200万画素の望遠レンズを搭載しているrealme端末に対し、シャオミ端末が1億画素カメラ、1300万画素の超広角レンズ搭載で上回っている。総合的に見るとシャオミのMi 10にわずかに及ばずといった印象だ。
realmeは1月に中国国内でミッドレンジモデル「realme X50」をリリースしたばかりだ。同程度のスペックを持つライバル機種はシャオミのサブブランド「Redmi K30」で、いずれもSnapdragon765G SoCを搭載している。スペックに大きな差はないが、端末価格はrealme X50が高く、リリース時期でもRedmiに後れを取った。
とはいえ、シャオミにとってrealmeは見過ごすことのできないライバルだ。ブランド設立から2年足らずの間にインドでの出荷台数は3倍に急成長、世界25カ国への進出を果たし、多くの地域ではトップ5に食い込んだ。しかも間もなくrealmeブランドのスマートウオッチとスマートテレビのリリースを予定しており、シャオミが得意とするIoT分野にも参入する構えだ。
realmeはブランド設立当初から、シャオミと同じ戦略をとっている。オンラインに重心を置き、コストパフォーマンスに優れたデザイン重視の機種をリリースしてきた。シャオミの戦法を踏襲することで、realmeは無駄な体力を使うことなく急速に製品ラインナップを拡充することができた。今回、X50 Proをリリースしたことで、シャオミやRedmiの各機種に対応する1000元(約1万6000円)の廉価機種から4000元(約6万2000円)以上のハイエンド機種がrealmeにもほぼそろったことになる。
新型コロナウイルスの流行により、中国スマホ市場の先行きは全く不透明だ。その分、各メーカーにとって重要となってくるのが海外展開だろう。realme X50 ProとXiaomi Mi 10のグローバル版は、もともと世界最大のモバイル機器見本市「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)」で発表される予定だった。海外市場で大ヒットモデルを生み出したいという思惑が透けて見える。国内市場では影響力や出荷台数の点でシャオミに遠く及ばないrealmeだが、海外市場における両社の差は縮まりつつある。realmeが快進撃を見せたインド市場に続き、西欧市場や中南米市場での直接対決に向けた準備が水面下で着々と進んでいる。
アイキャッチは公式サイトより
(翻訳・畠中裕子)
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