WebはAR/VRの新天地になり得るか?

AR(拡張現実)/VR(バーチャルリアリテイ)は1年前のような爆発的な勢いはないが、ARの成熟度は既に昨年を超えている。
アップルであれグーグルであれ、独自のARプラットフオームを用意し、iPhoneやアンドロイドスマートフォンによるARの利用を手放せない状態にしている。
そうしたモバイルデバイスARの人気に比べ、webARには今のところ閑古鳥が鳴いている。しかし、Web技術の発展に伴い、WebAR/VRの性能をいかに高めるか、AR/VR専用端末やARアプリと同様のAR/VR体験を、H5上でいかに実現するか、これらのタスクが、企業の関心の対象になりつつある。 実際、現在H5のAR体験を実現するには、以下の3つの方法以外にはない。
1.ARの専門設備、例えばARヘルメット、ARメガネ。しかしそれらは比較的高価で、その要求レベルも高く、ARの技術の普及には不利。
2.スマート端末上でのARアプリ。しかし、閉鎖的でクロスプラットホームのコストが高い。
3.WebAR。適応性は高いが、多くの問題点あり。

消費者にすると、この前者2つを認識するのは比較的簡単だが、WebAR/VRへの理解は非常に浅いだろう。しかし、これからは、一般ユーザーであってもWebARの影響を免れることはできないだろう。
その理由は簡単で、WebARの適応性、開放性の高さ、現在の消費者心理にマッチしていること、より多くのカスタマーにリーチできることなどが挙げられ、とりわけマーケティングやコマーシャルといったビジネスアクトにおいて大きな可能性を秘めている。
今年の独身の日(11月11日)に、T-Mallのイブニングパーティーで発表されたAR+VRによる“自宅にスターを届ける”ゲームに、注目なさったかもしれない。独身の日にアリババは他にも多くの場面でARを使い、ユーザーが更に良い体験をできるようにした。例えば、アリババ傘下のUCが独身の日に発表したWebARによる“AR表情お年玉”は、多くの人の注目を集めた。

あなたがこの面白い新技術を体験している時に、その背景にUCの技術があることには気が付かないだろう。“AR表情お年玉”を例にとってみると、それはUCのWebARフレームワークに基づいて実現されている。独自開発のtofu.jsフレームワーク、Native顔識別アルゴリズム、カメラに対する完璧なコントロールアビリティ、GPUによるカメラデータの高性能レンダリング、データ識別CPM、動画生成アビリティが挙げられる。
そうしたARゲームにおける、UCのWebAR/VRというソリューションは、見たところ逆手をいくようにも見えるが、アリババの巨大な最終目的を考えるとき容易に理解することができる。
UCのWebARソリューションは手淘、天猫、支付宝といったアリババグループ傘下アプリプロダクトにおいてすでにサービスを提供しているし、支付宝の蚂蚁庄园、蚂蚁星星球等のARエクスペリエンスにおけるWebARボトムデザインにより、小鳥とのスターウォーズにリアルな環境を提供できているのだ。
その他にも、淘宝と、提携するB&T(百安居)によるARプロジェクトもUC WebARソリューションによるものである。
百安居B&T Homeの上海沪太店に入ると、“顔認証”によるAR買い物の旅が始まる。店内にある”クラウドスクリーン”に顔を向けると1秒でアカウントにログインし、商品を捜して購入することができる。展示スペースの関係で、実際に展示できないモデルルームも、そのスクリーンを通してカスタマーに展示される。「360度全体閲覧」をクリックすると、360度死角無しのサラウンド画像による、非常にリアルな情景が表示され(テーブル上の一輪の花まで高精細)、カスタマーはテーブルや椅子、装飾アート、その他すべてをオンラインで買い物カートに入れることができる。

実際、一見簡単な買い物体験においても、その背後には複雑な技術の蓄積がある。前述したUC独自開発のtofu.jsフレームワーク、Native顔識別アルゴリズム、GPUによるカメラデータの高性能レンダリング、データ識別CPMが、WebARの直面する問題を解決している。
疑いの余地なく、ARは新しいヒューマン・コンピュータ・インタラアクションによる典型的な技術になっており、アップルのARkit、グーグルのARCoreのように、ほとんどのテック巨人はAR技術の開発を強化しており、中国のBAT(注:百度、アリババ、テンセントの頭文字)もそれぞれ各自のARソリューションを持っている。

明らかに、ウェブサイト上でのAR/VR効果は、AR/VRアプリをわざわざダウンロードするより直接的であると、グーグルやフェイスブックは考えており、UCもそれを始めている。
例えば、フエイスブックは既にWebVR効果をそのインフォメーションフローに取り入れるテストをしており、アプリのVR効果をWebページ上で実現したいと考えている。
モバイルデバイスAR/VRが、AR/VRの利用範囲を広げた、というなれば、それはゲームやアクティビティにおけるユーザーの需要を満たすものといえるだろう。それに対し、WebAR/VRの実現は、AR/VR利用のハードルを低めるものとなり、企業マーケティングの効果的なメソッドになり得る。

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