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米アプリ分析会社「App Annie」は先日、2020年2月のアプリ関連ランキングを発表し、国内外の人気アプリやゲームなど複数分野でのダウンロード数や収益状況を総括した。
釘釘のダウンロード数が激増、一躍トップに
新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるため、各大手企業や学校は2月に「オンラインでの業務再開」や「クラウド学習」措置を次々と講じたが、これによりオンラインオフィスアプリのダウンロード数が急成長する結果となった。
アリババのオフィスアプリ「釘釘(DingTalk)」はつい最近、小学生から一斉に星一つの評価を付けられるという冗談のような事件に遭遇したものの、同アプリのダウンロード数は人々のオンラインオフィスアプリに対するニーズを如実に示している。釘釘が「テレワーク」システムおよび「自宅学習」機能の全体を無料開放すると、アプリのダウンロード数は爆発的な増加をみせ、2月は前月比300%増となり中国国内の人気アプリランキングで一躍トップに躍り出た。
これと同様、テンセントのアプリ「騰訊会議(Tencent meeting)」も、オンライン業務ニーズの大きな流れに乗り、2月のランキングで6位につけ、前月比10倍以上の増加となった。
世界に目を向けると、抖音(Douyin、海外版は「TikTok」)は引き続き世界ダウンロードランキング首位の座を守った。収益ランキングでも先月よりランクを9つ上げ、海外のマッチングアプリTinderに次ぎ2位に浮上、前月比130%超の収益増となった。
抖音の収益がトップ、ショート動画が長編動画を大きくリード
中国国内の収益ランキングでは、抖音は2月に初めて「優酷(Youku)、愛奇芸(iQIYI)、騰訊視頻(テンセントビデオ)」を抜き、中国国内人気アプリ収益ランキングで首位となった。抖音と同じくショート動画コンテンツに属する「快手(Kuaishou、海外版はKwai)」も2月に収益を伸ばし5位につけた。
ショート動画が絶好調の様相を見せる一方で、長編動画アプリは伸び悩みを見せた。収益ランキングでは先月と変わらず、騰訊視頻が2位、優酷が4位につけたが、愛奇芸は先月から2ランク順位を下げた。
新型肺炎拡大により人々は「巣ごもり生活」を余儀なくされており、社交による消費ニーズを奪われた人々にとって、オンラインコンテンツで日常を埋めることが急務となっている。ショート動画はスピーディーかつ頻繁な更新を武器に、長編動画との競争で優位に立っている。
一方、新型肺炎の影響で正月映画「囧媽(Lost in Russia)」はオンライン上で無料上映された。これもバイトダンス(字節跳動)傘下の抖音や「西瓜視頻(Xigua Video)」といったアプリのダウンロード数の急増につながった。映画の力を借りて飛躍的な成長を遂げたショート動画アプリが、長編動画アプリのユーザーを奪い始めているのは明らかだ。
テンセントのゲーム「和平精英」が世界収益ランキングで首位に
2月は木工職人シミュレーション体験ゲーム「Woodturning 3D(中国語では超級木旋3D版)」が目を見張る成績をみせ、ダウンロード数は世界のゲームランキングでトップとなった。このゲームは画面構成がシンプルで遊び方のコツもつかみやすく、プレーヤーはゲームの中で木工職人になりきり、丸太を削り、磨きをかけ、色づけをする作業行程を体験でき、オリジナルの木工作品を作ることができる。
収益ランキングをみると、テンセントの「ゲーム・フォー・ピース(和平精英)」は今年初めて強敵「オナー・オブ・キングス(王者栄耀)」を打ち破り、世界収益ランキングの頂点に上り詰めた。毎年の収益ランキングで上位に入る上記2ゲームのほか、2月には「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」などのカードゲームもランキングに登場した。
(翻訳・神部明果)
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