AI時代で新たな仕事が生む、現職ドローン操縦士に直撃

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近年新たに生まれた職業のなかで、ドローンの操縦士(以下「操縦士」と略称)は人気があるものの一つだ。わずか3週間のトレーニングで「AOPA(航空機所有者およびパイロット協会)」のライセンスを取得でき、月収1万元(約16万円)以上は期待できるとされている。

中国人力資源社会保障部が2019年に発表した「ドローン操縦士就業現状分析報告」によると、現在中国の操縦士は数十万人で、うち55%が農業の現場での業務に従事している。また、業界関係者によると、農業用ドローンの操縦士だけで20万人不足しているため、今も多くの人がこの業界で働くことを希望しているという。しかし、今後ドローンのスマート化が進んでいくとしたら、将来的に操縦士の求人は減ることが予想されるため、必ずしも前途有望な職種とはいえない。そこで、この新しい職業への理解を深めるために、現職の操縦士崔景源氏に取材した。

崔景源氏が提供した画像

崔氏のインタビューの抜粋

個人的な感触としては、操縦士ブームは2015年から起きはじめた。はじめは給与が月1万2000元前後(約19万円。編集部注:中国最も収入の高い上海市の平均年収は約12万円)あったが、2020年にはすでにブームは過ぎ去り、新人操縦士の給与は5000~6000元(約8万〜9万6000円)しかない。

こうした変化の要因は技術の進歩だ。これまではドローン1台を1人で操縦するため、多くの人手を要したが、今はドローンの性能向上とプログラムの進化により、1人で3台を操縦してもおかしくない状況になった。

ドローンのようなハイテク製品は、いずれ人間が直接操縦せずに、プログラムを組むだけで現場に合わせた作業ができるようになるだろう。したがって、操縦士を目指すのならば、操縦だけでなくプログラミングも学んだほうがいい。操縦できるだけでは意味がない。

AOPAのライセンスは料金が高い上、さほど意味のあるものではないと思う。ドローンの飛行テストを行う会社は、一定数のライセンス保持者がいなければ事業ができないので、どうしてもライセンスが必要だが、現場ではなくても問題ない。

AOPAの操縦士ライセンス(画像はネットより)

実際の業務において、もっとも重要なのは慎重さだと思う。それからトラブルが起きた際に臨機応変に対応できる能力と、失敗があっても落ち込まない精神力が大事だ。

これらのメンタル面のほか、勉強し続けることも大事だ。操縦士はドローンが飛ぶメカニズムを理解することが必要だ。専門家になる必要はないが、自分が今操縦しているドローンのメカニズムくらいは熟知していなければならない。

この仕事はどうしても屋外での作業が中心になり、長丁場の仕事が多いので、ワークライフバランスの面ではあまりいいとは言えない。勤務条件もあまりよくない。上の画像のように、仕事の現場にはごく簡単なテーブルと折りたたみ椅子しかない。しかも画像のような平地での作業はむしろ少なく、崖でドローンを飛ばすというようなこともよくある。この仕事をするのなら、こうしたリスクも考慮に入れておいたほうがいい。

(翻訳:小六)

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