40億の紅包の獲得方法
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「紅包(ラッキーマネー)争奪戦」は今年ですでに5年目に突入するが、しかし私たちはまだ飽きていないようだ。
大晦日当日の紅包(ラッキーマネー)のデーターだけで一目瞭然だ。2018年大晦日全日、6.88億人がWeChatで紅包(ラッキーマネー)の送受信を行い、去年と比べて15%も増加している。当日の晩、2.51億ものユーザーが「五福(ラッキーカード5枚)」を集め、支付宝(アリペイ)から発行された現金5億分の紅包(ラッキーマネー)を、みんなで分かち合った。同じくその晩、1.66億のユーザーがQQにおいて6.09億を「走行紅包」の抽選で当てた。
紅包(ラッキーマネー)争奪戦はただの「全人民運動」というだけではなく、インターネットの大手企業が新年のたびに参戦する争奪戦の舞台と言っても過言ではないだろう。昨年あたりから、参戦した会社は食うか食われるかといった「紅包(ラッキーマネー)大戦」ではなくなったとは言え、しかしながら春節の紅包(ラッキーマネー)という戦場の硝煙は、未だかつて無くなったことがない。2018年を迎え、その硝煙はさらに濃厚で強烈になり、大小いくつかのインターネット会社を合わせると、40億元もの紅包(ラッキーマネー)がバラ撒かれた。
螞蟻金融服務集団とテンセントの二社について言うと、ここ4年で参戦しない年はなかった。2014年1月27日、「WeChat紅包」がリリースされてから、デジタルな紅包(ラッキーマネー)がこの時より私たちの生活に根付き始めたのである。その波に乗るように、WeChatは2015年の春節において春節聯歓晩会と強いコラボレーションを組み、「揺一揺紅包」を使って1回目の「真珠湾攻撃」を成し遂げることに成功した。2016年、支付宝(アリペイ)は2.69億元を投じて春節聯歓晩会と支付宝(アリペイ)だけの単独のコラボレーションを奪回し、この時にはじめて「集五福(ラッキーカード5枚集め)」が公開された。2017年、テンセント側のWeChatが撤退し、QQが迎え撃つ形をとり、さらに支付宝(アリペイ)と偶然にも同じ「LBS+AR」形式を選択し、こうして紅包(ラッキーマネー)はオフラインに広まっていった。
2018年、支付宝(アリペイ)およびテンセント系列のQQとWeChatはまだ戦場に立っており、さらに新しい企業も参戦してきた。淘宝は春節聯歓晩会を一手に引き受け、今日頭条はユーザーのために10億もの紅包(ラッキーマネー)を用意し、快手はショートムービーを通して1日に1.6億の紅包(ラッキーマネー)を発行、蘇寧は5億の現金を投じて「膨張紅包」を推し出す計画をしているなど、さまざまな取り組みを行った。
春節に紅包(ラッキーマネー)を大盤振る舞いするこうしたインターネット会社は、貴重な財産をはたいてでも、ユーザーの限りある時間と注意力を奪おうとしているに違いない。
終始一貫の支付宝(アリペイ)
2016年と2017年は同じで、支付宝(アリペイ)は引き続き「集五福(ラッキーカード5枚集め)」ゲームを続けた。ただ、ラッキーカードを5枚集めているユーザーは2年前の「紅包(ラッキーマネー)の総額を均等に分ける」から今年の「運次第で紅包(ラッキーマネー)の総額を分ける」に変更となった。
今年、「五福(ラッキーカード5枚集め)」は2月6日零時からスタートし、2月15日の零時に締め切り、大晦日の夜22時18分に抽選を行う。今年もしユーザーがラッキーカード5枚を集められたら、5億元の紅包(ラッキーマネー)が運次第で分け与えられ、個人で最高666元を獲得することができる。
具体的に言うと、今回のラッキーカード集めのイベントは主に4種類の遊び方がある。支付宝(アリペイ)ARから「福」という文字のスキャン、もしくは友人に「五福到」のジェスチャーをしてもらい、それをスキャンして獲得する。「螞蟻庄園」のプレイ中に鶏に餌をやることで、ユーザーは卵の中からラッキーカードを獲得する。「螞蟻森林の水やりイベント」(友人もしくは他プレーヤーと協力して木を植える、そのどちらでも可能だ)への参加をすることで獲得する。遊び方は以上の4種類になり、友人同士でラッキーカードを贈ったり、次から次に転送したりできるが、ラッキーカードの売買は禁止している。
最終的に、2.51億のユーザーがラッキーカードを集め、去年の1.68億よりも50%増加した。しかしながら、支付宝(アリペイ)の今年の総額が2億から5億に増えたと言っても、それは参加人数が増えたことが理由であって、分配される賞金は平均2元前後で、去年と比べてそれほど増加したわけではない。初年度の一人当たり200元あまりという結果を再現することは難しいだろう。
一人当たりの紅包(ラッキーマネー)の金額とユーザーのラッキーカード集めのハードルを下げることは、一種の賭けでもあり、かねてより支付宝(アリペイ)はそこのバランスを探っていた。
「ラッキーカード5枚集め」の最初の1年、支付宝(アリペイ)は「敬業福」があまりに入手困難なレアカードであったため、ユーザーから批難を受けた。しかし3年まで持ちこたえたことで、支付宝(アリペイ)は徐々に方針を変えはじめ、ゲームの難易度を上げることをやめ、わざわざユーザーがラッキーカードを獲得するための方法を新たに増やした。かつての教訓をもとに、支付宝(アリペイ)は「より多くのユーザーに楽しんでもらう」
ことに重きを置く方向へ舵を切った。「五福紅包」商品マネージャーである冠華氏が36kr.comに教えてくれたところによると、「ユーザーが関心を抱いているのはラッキーカードを集めている段階での楽しみで、ネットユーザーは想像力を大いに発揮してクリエイティブさを分かち合うことで、春節の雰囲気が訪れるのを感じています。私たちは集五福(ラッキーカード5枚集め)が新年の一部となり、皆さんの楽しみが増えるようにと願っていて、幾ばくかのお金のことは気にしていないのです。」
集五福(ラッキーカード5枚集め)が支付宝(アリペイ)にもたらした直接的なプラスとしては、支付宝(アリペイ)APPのアクティビティを上げたことだ。祝祭日の数日前、36kr.comは飛行場、ショッピングセンターなど人口密度の多いところで支付宝(アリペイ)の集五福(ラッキーカード5枚集め)の屋外広告を見かけた。広告にはすべて大々的に「福」の文字が書かれ、少なくないユーザーがその広告の前で足を止めては携帯を持ち出して支付宝(アリペイ)の福の字をスキャンしていた。
当然のことではあるが、集五福(ラッキーカード5枚集め)が大晦日の夜に終わったあとにも、支付宝(アリペイ)にはまだ次の一手があった。2月5日からスタートした、支付宝(アリペイ)の「一字千金」というゲームは、APPトップページから入り、春節期間中ずっと開催される。この新しい紅包(ラッキーマネー)形式は文字を選んで福を贈り、その文字ごとに紅包(ラッキーマネー)の金額が割り当てられている。

これは人々にWeChatが2年前に打ち出した「拝年紅包」を連想させた。形式が少し異なっており、少額でランダムに決まる金額、そこに金額に合わせた祝福の言葉がプラスされる。

このような少額、しかもある程度の面白みをもった紅包(ラッキーマネー)は、ユーザーの紅包(ラッキーマネー)を贈るハードルを下げた。紅包(ラッキーマネー)にいくらお金を包むべきかと考えなくてすむし、頭をフル回転させてお祝いの言葉を考えなくてもすむ。しかし、さらに重要な理由として、紅包(ラッキーマネー)というこの商品はすでに成熟期に入り、一種の日常的な社会的行為にまでなり、ユーザーにさらに熱中してもらうのも、だんだんと難易度が上がってきた。ユーザーを惹きつけ、自社のプラットフォーム上で紅包(ラッキーマネー)のやり取りをしてほしい、「面白さ」と「普及」はおそらくインターネット会社が必ず考えなければならないことだろう。
変化を追い求め続けるQQとWeChat
テンセント系列は今年オフラインでの探索をより深めた。
今年、「走運紅包」をメインとするQQは、紅包(ラッキーマネー)とユーザーが毎日歩いている歩数をリンクさせて、ユーザーに「歩いた分だけ、紅包(ラッキーマネー)を獲得」できるようにし、シンプルで直接的にした。すべてのイベント期間を通して、QQは20億の現金での紅包(ラッキーマネー)に、プラスして40億のクーポンを発行するつもりである。
イベントは大晦日からスタートし、当日の19時から23時30分の間で、「手机QQ」画面の右上にリンクが張られ、クリックしたあとに2017年の自分の「QQ運動」のトータル歩数を見ることができる。さらに4つの「走運紅包」を受け取ることができる。QQのデーターによると、大晦日当日、1.66億のユーザーがこの「走運紅包」に参加し、抽選で紅包(ラッキーマネー)を獲得した数は6.09億件にも上るとのことだった。

そのあとの元旦から三が日までの間、毎日朝の9時からスタートして、夜の23時50分に終了し、ユーザーは好きなタイミングで「手机QQ」対話リスト、もしくは「QQ運動」から「走運紅包」イベントに参加することができる。イベント期間は、毎日12時から13時、17時から18時、22時から23時の3回で、ユーザーは「手机QQ」画面右上に張られたイベントのリンクから参加することもできる。ユーザーは毎日、当日の歩数をもとにして紅包(ラッキーマネー)を引く抽選に充てることができる。100歩ごとに、紅包(ラッキーマネー)の抽選を1回引くチャンスが得られ、1日で最大100回まで紅包(ラッキーマネー)の抽選を引くことができる。

QQ「走運紅包」は、AT二社のここ数年のすべての紅包(ラッキーマネー)のロジックから飛び出していると言ってもいいだろう。「健康社交」という概念を通して、紅包(ラッキーマネー)を日常生活そのものにまで引き戻した形となる。QQ支付連合商品部の総経理である賀飏氏が36kr.comに述べたところによると、「走運紅包」は「走(歩く)」という動作を通して、みんなにお正月期間は家族、親戚や友人知人に会いに行くことで、身体のトレーニングになることを願っているとのことである。
実際のところ、今年はQQが春節紅包(ラッキーマネー)大戦に参戦して4年目を迎える、テンセント社副総裁である殷宇氏が36kr.comに、2年目の春節紅包(ラッキーマネー)を終えたあと、張志東氏が彼に意見を述べたと教えてくれた。それは「ユーザーをネット上に縛り付けることはせずに、みんなをオフラインに行かせるべきだ」ということである。
そうしたこともあって、2017年QQの「LBS+AR」紅包(ラッキーマネー)が誕生し、同時に偶然にも支付宝(アリペイ)でも同じ計画が挙がった。LBS技術をもとに、企業から現金もしくはクーポンを発行し、全国の数百万ものポイントに分布させた。これは多くのオフライン企業に対して紅包(ラッキーマネー)ゲームへの参加を促すことができるもので、ユーザーは紅包(ラッキーマネー)を探すという驚きと喜びのなかで楽しみを見つけることができ、企業はゲーム性のあるマーケティング活動で集客を行うことができるということである。
このオフラインの構想は今年QQでは行われなかったが、WeChatがそれを手本に行った。
2017年春節紅包(ラッキーマネー)に不参戦だったWeChatは捲土重来、2018年は参戦した。「週末揺揺楽」の後を引き継ぐかたちで、春節期間にWeChatは7日にもおよぶ、オフラインのチャネルをすべてカバーした「全民揺一揺」キャッシュバックキャンペーンを行うというものだ。具体的に言うと、2月14日から2月20日までの期間、ユーザーがオフラインの指定店舗にてWeChat Payで二元以上支払うと、「新春揺揺楽」キャンペーンに参加することができる。ユーザーは毎日3回の抽選チャンスがあり、購入金額のキャッシュバック、もしくは、指定店舗でのWeChat Pay支払いにより紅包(ラッキーマネー)を受け取ることができる特典がつき、最大200元までキャッシュバックを受けることができる。

当然のことながら、テンセント系列の選手は完全にオンラインを放棄したわけではない。支付宝(アリペイ)の「一字千金」の新しいアイデアとロジックとしては似通っていて、QQも簡単な紅包(ラッキーマネー)をさらに面白く変えようと考えおり、QQの解決方法として、ブランドごとの紅包(ラッキーマネー)を打ち出した。
昨年、QQは紅包(ラッキーマネー)のなかにブランドを取り込み始め、ペプシコーラ、ワトソンズ、Supercellなどの消費財ブランドをメインとして提携パートナーを組んだ。
今年、ブランドは消費財ブランドからアフォーダブル・ラグジュアリー、さらには贅沢な最上級のハイクラスブランドへと移行し始めた。大晦日から1月8日までの間、QQは「ブランドの数量限定紅包(ラッキーマネー)」を打ち出し、ユーザーは友人にQQ紅包(ラッキーマネー)を贈る際に、ブランド専用の紅包(ラッキーマネー)として、フェラーリ、BURBERRY、KENZO、YSL Beauteの4つのブランドから選ぶことができる。

これは殷宇氏が若者の消費方法から判断しており、36kr,comに対して「若者は贅沢品の消費者として今はまだメインではありませんが、贅沢品を消費する層へと移り変わる流れはすでに現れています」と教えてくれた。これとは別に、QQのポジションが若者の交流するプラットフォームであり、このお陰でQQ紅包(ラッキーマネー)チームには毎年「異なったゲームを考えなければならない」というプレッシャーがある。当然ながら、ユーザーにも毎年新しいゲームの遊び方を学ばなければならないというハードルが生じる。
大晦日当日、QQユーザーは個人の紅包(ラッキーマネー)として6.9億件を受け取った、そのなかで「ブランドの数量限定紅包(ラッキーマネー)」は4400万件に上った。
巨神達の戦い
今年、紅包(ラッキーマネー)戦場の硝煙は立ち込めており、その理由はもうすでに支付宝(アリペイ)とWeChat、QQだけの戦場ではないからだ。淘宝は重要な「ほかの勢力」になり、金額が高いだけでなく、春節聯歓晩会の単独パートナーを勝ち取ったのである。
2015年、春節聯歓晩会ははじめて紅包(ラッキーマネー)と提携をした。当時、WeChatは春節聯歓晩会と強いコラボレーションをしたことで、ユーザーは春節聯歓晩会を視聴している間、WeChatの「揺一揺」を通して、現金5億を超える人民元を紅包(ラッキーマネー)として奪い合いをはじめた。2016年になると、春節聯歓晩会は支付宝(アリペイ)が2.69億を投じてWeChatから勝ち取り、ユーザーが春節聯歓晩会を視聴している間、2.15億元の紅包(ラッキーマネー)を山分けした。
金は天下の回り物とはよく言ったもので、2018年の春節聯歓晩会の単独パートナーは淘宝が奪い去った。今回、淘宝は春節期間中に総額10億元を超える紅包(ラッキーマネー)を発行するとのことである。そのなかで、春節聯歓晩会の生放送中に6億を発行する。番組では4回、番組と視聴者がインタラクティブにやり取りを行う時間を設け、番組を視聴しているときに司会者から伝えられるパスワードで「手淘APP」に入る。「手淘APP」に入るだけで新春福袋を獲得することができ、そこには現金での紅包(ラッキーマネー)と「一元購特権」の資格が含まれている。
2月11日からスタートし、淘宝はすでに毎日のように1億の現金での紅包(ラッキーマネー)を発行している。ユーザーは「手机淘宝」を開くことで、3つの紅包(ラッキーマネー)を獲得でき、ほかのユーザーにシェアすることで、シェアした人と招待された人どちらにも現金での紅包(ラッキーマネー)を獲得するチャンスが与えられる。
今日頭条は淘宝と同じ金額、つまり10億の紅包(ラッキーマネー)を打ち出した。ユーザーは「干支カード集め」、「紅包雨」、「ムービーで新年の挨拶」などの方法で10億の紅包(ラッキーマネー)を獲得することができる。今日頭条という新しい企業の加入により、2018年の春節紅包(ラッキーマネー)がより一層「巨神達の戦い」めいて参った。具体的に言うと、2月8日「干支カード集め、2億分」イベントが先頭を切って開催され、ユーザーは十二支と、「旺財狗」と「阿発狗」を含めた合計14枚のカードを集めることで、大晦日に2億元の現金での紅包(ラッキーマネー)を分け合うことができる。2月8日から14日までで、毎日20時45分に1回、総額5000万の「紅包雨」がある。15日大晦日、「紅包雨」は4回に増え、各回の金額は1億元になる。
新年の1日から、「ムービーで新年の挨拶」イベントが正式に開催された。ユーザーは今日頭条のクライアントを通して、芸能人と同じようなムービーを撮影し、友人にシェアすることで紅包(ラッキーマネー)を獲得することができる。ムービーを観た順番が3番目までの視聴者も紅包(ラッキーマネー)を獲得することができる。このイベントのために、今日頭条はユーザーのために一連のムービーのテンプレートを準備し、参加のハードルを下げた。
そして同じような「ムービーで新年の挨拶」の構想を採用しているのが快手だ。快手のやり方は比較的シンプルで大雑把なものである。平均毎日1.6億のショートムービーの紅包(ラッキーマネー)を出し、4日連続で、単体の紅包(ラッキーマネー)は最高で8888元となる。すべての紅包(ラッキーマネー)が自社のAPP内で発生する今日頭条とは異なり、快手は新年の挨拶のムービーをWeChatとQQにもシェアすることができ、友人もしくはグループに送ってみんなで紅包(ラッキーマネー)を争奪することもできる。そのうえ、今日頭条は10億のうち5000万だけショートムービーに充てているのと比べて、快手はショートムービー用として6億を超える金額を用意した。

40億を投じる紅包(ラッキーマネー)、苦戦の背後は何か
支付宝(アリペイ)、QQ、WeChatについて言うと、最も重要な意味合いとしてAT二社のモバイル決済市場の占有率の争奪が続いていると考えていいだろう。
これまでの数年、アリババとテンセントが高額な資金で資本参加を行ったことで、少額の頻繁支払い場面において「補貼(金銭的サポート)大戦」が引き起こされた。毎年、春節の紅包(ラッキーマネー)の金銭的サポートにも欠かさず参加しているところから分かるように、彼らはすべての頻繁支払い場面のモバイル決済チャネルを掌握したいと、そのなかで春節期間の紅包(ラッキーマネー)の発行は、それほど多くない少額の頻繁支払い場面なのである。
少額の頻繁支払い場面のなかでユーザーへのサービスは、ユーザーのモバイル決済を使うという習慣を養うのに、極めて重要なものとなる。金銭的サポートもしくは紅包(ラッキーマネー)によって発生した残金がユーザーのお財布のなかに残っていた場合、ユーザーがこの決済ツールを削除することはまずないだろう。それだけでなく、今後の日常のなかでこのお金を使おうとする。たとえどれほど金額が少なかろうと、大多数の人はおろそかにすることはできないだろう。
これは大まかな理由で、支付宝(アリペイ)が集五福(ラッキーカード5枚集め)を通してユーザーを自社のAPPを開く習慣を養うと同時に、「一字千金」の創意を通してユーザーを惹きつけ、支付宝(アリペイ)内で友人に紅包(ラッキーマネー)を送ってもらう、その理由は紅包(ラッキーマネー)によって生じた残金で、さらに一歩ユーザーのモバイルで支払うという習慣を強化するためなのである。
すべてのモバイル決済市場の勢力構造から言えば、支付宝(アリペイ)とテンセントのテンペイが独占する局面がすでに形成されている。しかし、テンセントに関して言えば、WeChat Payのユーザーが増加し、その数はすでに天井を打っている。馬化騰氏は2017年12月の「財富」フォーラムのなかで、かつてひとつのデーターとして、WeChat Payのユーザー数はすでに8億に達したと明らかにしたことがある。
つまり、現在すべてのテンペイシステムのその他の勢力として、「QQ支払い」はメインのユーザーを請け負い、新しい任務を担うことになった。今年の春節から見るに、QQの「走運紅包」で遊びたい、もしくはQQの友人から紅包(ラッキーマネー)を受け取るには、ユーザーは銀行カードと紐づけをしなければならない。ここから見るに、春節の紅包(ラッキーマネー)は実際のところQQが低コストでユーザーにカードを作らせるマーケティング活動であり、これはかつてのWeChatと同じ構想でもある。
WeChatに関して言えば、ユーザー数が天井を打ったので、オンライン支払いでの取引チャネルが足りないため、目下、重要なのはおそらくオフラインでの支払いチャネルの占領だろう。そのためWeChatは今年、紅包(ラッキーマネー)の金銭的サポートをほとんどオフラインに充てたのだが、その意図はおおまかにここにあると考えられる。
支払いというこのチャネル自体から飛び出してみると、春節の紅包(ラッキーマネー)は今年さらに多くのインターネット会社と関係を持った。この背後にある意味は次に述べるところにある。アクセス数が日に日に貴重なものとなる今日において、インターネット会社は春節のこの最高のマーケティングのチャンスをつかみとりたく、新規ユーザー獲得、さらには現在いるユーザーのアクティブ率とインターネット会社への忠誠心高めたいと考えている。
新規ユーザー獲得の風潮がもっとも明らかなのは淘宝だ。淘宝は紅包(ラッキーマネー)ゲームのルールのなかで、明確にひとつのハードルを設けた。それは紅包(ラッキーマネー)獲得のためには友人とシェアしなければならず、シェアさえすれば友人とともに紅包(ラッキーマネー)を分かち合うことができるというものだ。ユーザーが紅包(ラッキーマネー)をWeChatのグループに送った場合、淘宝はユーザーのソーシャルな繋がりの助けを借りて、友人のそのまた友人へとシェアを広げてゆく可能性がある。
支付宝(アリペイ)の集五福(ラッキーカード5枚集め)と今日頭条の「干支集め」は、毎日1回の「紅包雨」があり、本質はすべて同じでゲーム化した運営方法を通してDAUを上げ、そこからユーザーのアクティブ率を高め、APP内の機能を使うきっかけとなる、ひとつのマーケティング活動を実現したのである。
そのほかに、今日頭条と快手の参戦によって、ショートムービーは日を追うごとにメインの娯楽とソーシャルなライフスタイルを反映したものとした。「春節に新年の挨拶」はショートムービーが広まるのに最高のターニングポイントであり、仮に二社が紅包(ラッキーマネー)によってユーザーのムービー撮影と、視聴の拡大を刺激したのであれば、労せずして自社のショートムービー作品を伝える良いチャンスとなったことだろう。
WeChat、QQ、支付宝(アリペイ)、淘宝といったいくつかのハイレベルな国民活用を除いて、すべてのインターネット会社にとって、春節という特殊なチャネルの助けを借りることで、商品が異なる地域と社会に伝わり浸透することができるので、これは見過ごすことのできないチャンスでもある。
春節紅包大戦はすでに五年目を迎えた。中国の民俗を少しずつ変えただけでなく、年に一度の商業文明のお祭り騒ぎをはぐくんだ。ユーザーそれぞれに限りのある「国民時間」のなかで、インターネット会社の集客はどんどん貴重になってきており、ユーザーをとどめることもどんどん難しくなっている。そのため紅包を中心とした狂喜的なお祭りは年を追うごとに、より多くの企業が互いに競争し続けることになるだろう。