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日用消費財(FMCG)業界向けにAIソリューションを提供する中国スタートアップの「零眸智能(LingmouAI)」が2019年下半期に数千万元(数億円)の資金調達を行ったことが明らかになった。調達した資金は製品開発と海外市場でのマーケティングに使われるという。
零眸智能は小売シーンに特化したマシンビジョンにAIを組み合わせ、スマートソリューションを開発しており、製造業者、販売業者、市場調査会社が主な顧客で、マシンビジョンによる商品のデータ集計、業界のデータ分析、小売現場用の端末などを提供している。
同社の製品・サービスは大きく3種類に分け、ソフトウェア、ハードウェア、データに基づくソリューションである。
ソフトウェアの中核は日用消費財に特化した画像認識技術である。同社が独自開発したディープラーニングアルゴリズムによって、小売店舗の商品識別、データ収集・分析を行うことができる。快速な識別と学習、動画スキャンによる識別、識別した画像のリアルタイムでの結合などが可能だ。
日用消費財は包装がよく変更され、その度に学習しなおす必要がある。零眸智能はこの点における技術開発に注力し、AIの教師なし学習の能力と速度を大きく向上させた。同社の技術を使えば、1カ月で、4カ国で販売されているすべての飲料類商品のSKUを識別することができ、実際に半年で25カ国の5万SKUを識別したことがある。また、識別したデータのアノテーションの9割を自動で行うことができる。
ハードウエアでは、商品を陳列する冷蔵庫などを改造し、陳列面のモニタリング、位置情報確認、ドアの開閉回数の集計などの機能を追加することができるようにしている。収集したデータは業務改善などに使われる。
ソリューションサービスの提供では、技術開発側からデータによるサービス提供側へと同社が立ち位置を転換しようとしていることを印象づける。零眸智能のデータ集計チームは、各小売店のハードウェアの稼働状況を数値化し、どのような陳列・マーケティングがもっとも有効かを分析する上での参考とし、最終的には各店舗の特徴に合わせたそれぞれ異なるソリューションを見つけることを目指す。
零眸智能は2019年にコカ・コーラボトラーズの「太古可口可楽(Swire Coca-Cola)」、ビール大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブ中国と長期契約を締結した。零眸智能の樊凌雲CEOによると、太古可口可楽との提携により、同社のSKU識別サービスは国内の400万店で使われるようになり、全世界では1100万店で使われる予定だという。
この分野では零眸智能のほか、シンガポールの「Trax」社の評価が高いが、零眸智能は自社の技術が速さ、正確さ、価格でTraxより優位性があるとしている。上記の太古可口可楽とアンハイザー・ブッシュ・インベブ中国はTraxから零眸智能へ乗り換えたものだ。
零眸智能の締結済み契約の金額は5000万元(約7億5000万円)に上り、うち海外での売上高が50%を占める。2020年にも黒字化を実現できる見込みだ。
(翻訳:小六)
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