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空間を再現する3Dリモデリングを活用した中国の不動産情報サービス「貝殻找房(Ke.com)」が日本の不動産テック企業「GAテクノロジーズ」と提携し、日本のユーザーに向けてVRを活用した全く新しい家探しの形を提案する。自宅に居ながらにして見たい物件をバーチャルで内見できるサービスで、ウィズコロナ時代において極力人との接触を割け、感染リスクを低減する工夫をしている。
2013年に設立されたGAテクノロジーズは不動産、金融、テクノロジー、インターネットを駆使し、AIなどの先端技術を取り入れながら不動産取引関連の既存モデルを打破する取り組みを行っている。
新型コロナ禍で迫られたオンライン化
新型コロナウィルスの影響を受け、今年4月の首都圏における中古マンションの取引件数は前年同月比52.6%減という未曽有の打撃を被った。
一方で日本の不動産市場はオンライン化が進んでおらず、物件探しの際は多くの場合、簡単な間取り図や写真、動画を参考にするしかない。こうした現状を改善すべく、GAテクノロジーズは貝殻找房の成功体験に着目した。貝殻找房が運営する3D内見サービス「如視(REALSEE)」は、VRを活用した物件内覧などの機能を提供し、中国国内市場において物件探しの効率と質を飛躍的に高めた。今年4月時点のデータでは、同サービスを提供することで貝殻找房のユーザーの1人当たりの利用時間が平均150%伸び、担当スタッフが同行しての物件内覧の効率が16.6%向上した。同じくバーチャルサービスを利用した不動産販売部署では、オンラインでの販売開始後わずか8分で1000件以上の新築物件が売れたという。
海を渡ったVR技術が日本の不動産サービスを再構築
如視の3Dコンテンツを制作するプロセスは簡単だ。スピーディーに3Dリモデリングを実現する技術により、パノラマカメラで撮影した2D画像はワンクリックで再現度の高いVR空間に転換される。物件の三次元構造、細かな寸法や間取り、内装などの詳細情報までが鮮明に再現され、顧客はVR空間を自由に行ったり来たりしながら隅々まで見て確認できる。
特別な設備もプロのフォトグラファーも不要。一般的なパノラマカメラ1台を用意し、専用アプリをスマートフォンにインストールするだけという簡便なオペレーションは、「VRコンテンツの制作は設備導入コストも時間もかかり、難しい」という日本市場に根付く固定観念を突き崩した。
如視の開発チームは長年かけてこうした技術を育んできた。自主開発したスマートスキャン機器、VR空間構築アルゴリズム、3Dリモデリング技術によって、今や中国国内で500万の物件情報をバーチャルで提供しており、世界最大規模の物件データライブラリーとなっている。単眼カメラで撮影された画像をもとにした深度推定技術、ディープニューラルネットワーク、データアノテーション、画像分割、画像認識などのAI技術を広範に活用し、2Dのパノラマ画像に3Dの「奥行き」を与え、画像の遠近感や方向を検知して隣接する画像を自動でつなぎ合わせて3D化する。画像の自動結合機能の精度は100%近くに達しており、深度推定の誤差もわずか4.23%と世界最先端レベルとなっている。(翻訳・愛玉)
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