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6月30日の上海証券取引所の公式サイトに掲載された情報によると、科創板(スターマーケット)上場委員会は、「九号機器人(Ninebot)」の上場申請を許可したという。今後の諸手続きが順調に進めば、Ninebotは中国初のCDR(中国預託証券)を発行する形で科創板に上場する企業となる。
目論見書によると、Ninebotは預託銀行に最大704万0917株のA株普通株を発行する。調達した資金はスマート電動車両、スマート配送ロボットの開発と量産化などの主要事業に使われる。
Ninebotは短距離移動用の機器とサービスロボットの開発を行う企業で、主な製品に電動平行二輪車、電動キックボード、スマートサービスロボットなどがある。同社の上場申請は2019年4月17日に受理されていた。
Ninebotはスマホ・IoT家電大手の「シャオミ(小米、Xiaomi)」と緊密な関係にあることにも注目されている。シャオミは傘下の「People Better」社を経由する形でNinebotの株式10.91%と5.08%の議決権を保有する。People Betterの関連会社である「Shunwei」社もNinebotの株式10.91%と5.08%の議決権を保有するため、シャオミ系列の企業がNinebotの21.82%の株式を保有していることになる。
資本関係のほか、シャオミはNinebotの重要な取引先でもある。目論見書によると、2017年〜2019年の間、Ninebotのシャオミ向けの売上高はそれぞれ10.19億元(約150億円)、24.34億元(約370億円)、24億元(約360億円)であり、当該年度の総売上高に占める比率はそれぞれ73.76%、57.31%、52.33%だった。
シャオミへの依存は、Ninebotの潜在的なリスクであると言える。目論見書でも明言されているように、シャオミは持ち株による影響力や、サプライチェーン、コスト管理、販売体制、利益配分などにおける施策により、Ninebotにネガティブな影響を与えることが可能である。また、シャオミとの取引額が大きなウェイトを占めているため、シャオミからの受注が急減した場合の経営状況も懸念される。
こうした緊密なつながりにより、Ninebotはシャオミのエコシステム企業と見られているが、目論見書ではこの点を否定している。同社の資産、人員、会計、組織構造、主要事業はすべてシャオミから独立しており、典型的なシャオミのエコシステム企業ではないという。シャオミはエコシステム企業を「シャオミとIoT製品や日用品を共同設計・開発し、またはシャオミとともにインターネットサービスを提供する企業」と定義している。
2017年〜2019年のNinebotの総売上高はそれぞれ13.81億元(約210億円)、42.48億元(約640億円)、45.86億元(約690億円)であり、赤字額は6.27億元(約90億円)、17.99億元(約270億円)、4.59億元(約70億円)だった。赤字は優先株と転換社債の公正価値の変動によるものだと同社は主張する。
Ninebotの予想では、2020年上半期の売上高は19.26億元〜23.54億元(約290億円〜約350億円)であり、前年同期比マイナス13.22%からプラス6.06%の間の成長率となる。粗利は5.4億元〜6.57億元(約80億円~約100億円)で、前年同期比0.84%〜18.87%減となる。経常外損益を除いた親会社に帰属する当期純損失は6618.73万元〜8954.75万元(約10億円〜約13億円)となり、前年同期比で131.28%〜142.31%改善されることになる。
(翻訳:小六)
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