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越境EC向けの物流サービスプロバイダー「福建縱騰網絡有限公司(FuJian Zongteng Network、以下「縱騰」と略称)」が、シリーズC1で5億元(約75億円)の資金調達をしたことを発表した。リードインベスターは保険大手の「泰康人寿(Taikang Life Insurance)」、コ・インベスターは「厦門建発集団(Xiamen C&D)」、「浙商創新資本(Zheshang Innovation)」、「福州金控(FUZHOU FINANCIAL HOLDINGS GROUP)」、「安誠資本」。「華興資本(China Renaissance)」が財務アドバイザーを担当した。
今回の資金調達は、縱騰にとって2019〜2020年にかけての3回目の資金調達となった。同社は2019年3月にシリーズBで7億元(約110億円)を調達し、同年6月にシリーズB+の資金調達を行っており、直近2年間の調達額の合計は12億元(約180億円)超ということになる。
縱騰は2007年に福州で設立され、現在中国最大の国際物流プロバイダーの一つに成長している。同社の主な事業は越境EC向けの国際物流、海外倉庫、越境EC販売代理と、これらに関連する付加サービスである。
同社は2019年に「G2G(Global to Global)」戦略を打ち出し、その戦略のもとで米国、欧州、日本、豪州など主要諸国を結ぶ物流ネットワークを構築している。これまで26の海外倉庫とハブを開設し、その総面積は50万平米超となっており、47本の国際物流専用ルートで、六大陸の33カ国を中国と直接結んでいる。海外で勤務する従業員は1000人超で、1日100万件以上の注文を取り扱っている。
財務アドバイザーの華興資本の産業インターネット分野担当者の張慧氏は次のように話している。「グローバル化によって越境ECの時代が到来し、商流が変化した。そして商流の変化が物流の変化を促しているのが目下の状況だ。越境ECはさらに普及し、中国からの輸出も増えると考えられるため、迅速に配達でき、コストも安い海外倉庫と物流専用ルートというビジネスモデルが中心になるだろう。縱騰には今回の資金調達後、これまで通りに海外倉庫、物流専用ルート、越境EC向けサービスの掘り下げを続けてもらい、G2Gを全世界に普及させてほしい」
越境ECの物流において、中国企業はデジタル化、スマート化、大手プラットフォームとの提携によって急成長を遂げている。縱騰のほかにも、物流テックの「大掌柜(CargoGM.com)」、トラックの配車サービスの「鴨嘴兽(Duckbill)」、中国とアフリカの物流を専門とする「恒道国際(Ever-do Int’l Logistics)」、フォワーダー向けのSaaS開発の「海管家(Yunlsp)」などがある。
スタートアップ以外では、アリババ傘下の「菜鳥(CAINIAO)」、「百世集団(Best Group)」が国際物流事業を着実に拡大させている。「2020グローバルスマート物流サミット」において、菜鳥は国際小包の取り扱い件数がフェデックスとDHLを超え、UPSに次ぐ世界2位になったと発表した。中国企業が国際物流のトップスリーに食い込んだのは史上初である。百世集団は7月4日に、マレーシア、カンボジア、シンガポールで宅配事業を開始することを発表。3年以内に2カ国で12の貨物中継基地と400の集配所を建設することを目標に掲げ、今月中に中国と東南アジア5カ国の間での物流サービスを始めるとしている。同社は今後インドネシア、フィリピンへの進出も検討中だ。
(翻訳:小六)
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