日本の保育園が中国へ 100園超を展開する「レイモンド チルドレン」が深圳で開業

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日本の保育園が中国へ 100園超を展開する「レイモンド チルドレン」が深圳で開業

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2007年の設立以来、日本全国で保育施設を運営する「レイモンド チルドレン」が中国での展開を本格化させる。今年6月には広東省深圳市に設けた中国初の保育園で園児の募集を開始した。

レイモンドは日本国内100カ所以上で0~2歳児対象の小規模保育施設、0~6歳児対象の保育園およびこども園(幼保一体型施設)を運営する。在籍する保育人員は1200人超、在園児は約2万人、年間売上高は5~6億元(約75~90億円)に上る。中国事業は深圳市に設立した日中合弁企業「檸檬教育咨詢(LEIMOND Education Consulting)」が運営している。

設立13年で編み出した13の保育内容を基に、乳幼児がより安心して過ごせる保育体制や、自分の気持ちを表現できるとともに人の気持ちを理解できることを目指すCCD(チャイルドコミュニケーションデザイン)を重んじるとともに、芸術への理解・表現を育む施設デザイン、基本的な生活習慣育成などにより、個々の園児の特性に基づいた保育を実施している。

(画像:公式サイトより)

0~3歳児向けの保育サービスは日本の共働き家庭にとっては必須のインフラといえるが、中国ではまだ黎明期のカテゴリーだ。しかし、中国でも近年は早期教育への需要が高まり、早期教育機関や託児機関、オンライン教育などの事業が生まれている。昨年には中国政府が「3歳以下の乳幼児向け保育サービス発展についての指導・意見」を公布、保育業界の規範化を図っている。

レイモンドの中国事業を統括する陳実代表によると、中国初の保育園を開園した深圳市では2018年時点で出生児の54.2%が第二子で、0~3歳の乳幼児は約70万人に上る。保育園の定員は60人、5クラスに分けで保育を行うという。0~1歳児は園児1人に対して保育士1人、1~3歳児は園児3人に対して保育士1人が着く。保育費は月1万元(約15万円)で、同市の保育園としては中~高価格帯に属する。

陳代表によると、中国国内の他の保育園と比較し、レイモンドの強みは主に以下の通りだ。

■標準化された保育人員の着任前研修制度:保育事業にとって質の高い保育人員と質の高い保育方法はいずれも重要だ。レイモンドではすでに実践・研修の枠組みを確立しており、これによって新任の保育人員でも即戦力となり、標準化された保育サービスを提供できる。

■保育理念を反映させた施設設計:レイモンドでは幼児期に接する美が、成長後の芸術に対する理解力に大きく影響すると考えている。レイモンドの園内は一般の保育園でよくみられる子ども向けのかわいらしい装飾とは異なり、日本のデザイナーの手によって、子どもの目線からみて細部まで行き届いた設計になっている。

■体系化された運営管理:100以上の保育施設を運営するレイモンドは、園児の入園手続きの流れや厨房のオペレーションマニュアル、給食の献立、離乳食の調理過程、保育人員のシフト、園児の保育記録などを一括してSaaSで管理し、園児の保護者はアプリ経由でこれらを確認できる。

保育所事業の他に保育関連のコンサル事業も立ち上げ準備中だ。これまでに積み重ねてきた運営・管理、保育人材研修、施設設計などのノウハウを事業者向けに提供していくという。今後は北京、上海、深圳、広州、杭州などの大都市を中心に事業を拡張していく計画だ。
(翻訳・愛玉)

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