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中国の自動運転技術開発スタートアップ「AutoX」が、交通事業会社の大衆交通(Dazhong Transportation)傘下でオンライン配車サービスを手掛ける「大衆出行(Dazhong Go)」と、上海市嘉定区の無人運転モデル地区における戦略提携を発表した。今後、ロボタクシーのモデル運用チームを中国全土に拡大し、配車プラットフォームをリリースしていく計画だ。大衆交通はユーザーからの配車予約を担当し、AutoXは技術プラットフォームを提供する。
大衆出行の本社は上海で、同地区で初めてオンライン配車予約事業の営業許可証を取得。2016年3月からタクシー、ハイヤ―、社用車、公用車などの配車サービスを提供している。現在、上海、紹興、杭州、蘇州、天津など中国国内の18都市でサービスを展開し、自主開発したスマートルームミラーシステムなどの端末機器を通じて、ビックデータ分析とサービス管理を実現している。同社が目標として掲げるのはコネクテッドカーとスマートモビリティプラットフォームの融合だ。
AutoXは2016年9月に設立され、本社は深圳で、北京、上海、シリコンバレー、サンディエゴなどにR&Dセンターを、上海には自動運転オペレーションビックデータセンターを有している。目下のところ、上海、広州、深圳の3つの一級都市においてロボタクシーの営業ライセンスを取得している唯一の企業だ。
大衆出行とAutoXはロボタクシーの試験運営サービスを提供する期間や地域などの詳細について明らかにしていない。
自動運転技術を手掛けるスタートアップにとって、配車プラットフォームと提携して、ユーザーを獲得し、技術を実用化していくことは、大規模な収益化のために欠かせない。また、一般消費者がロボタクシーという新しい交通手段を知り、それを受け入れていくことにも繋がる。
先ごろ、AutoXはアリババ傘下の地図情報企業「高徳地図(AutoNavi)」と提携しロボタクシーの試験運営サービスを一般向けにリリースした。ユーザーは専用アプリを通じて、ロボタクシーを無料で利用できる。サービスの提供範囲は、上海市嘉定区にある自動運転試験運営エリア内となる。
同じく自動運転技術を手掛ける「元戎啓行(DeepRoute.ai)」も吉利汽車(Geely Automobile)が出資する配車サービス「曹操出行(Caocao)」との提携を発表しており、来年には杭州でロボタクシーの試験運営サービスを提供する予定だ。
今年6月には「文遠知行(WeRide.ai)」も前出の高徳との提携を開始しており、広州でロボタクシーの配車予約サービスを行っている。
自動運転関連のスタートアップ企業はこうした配車プラットフォーム以外にも、既存のタクシー会社とも戦略提携を開始している。
AutoXは昨年末に深圳のタクシー会社「鵬程電動汽車出祖(Pengcheng Electric Taxi)」と提携、同市中心部でロボタクシーの営業を開始する予定だ。鵬程電動は深圳巴士集団(Shenzhen Bus Group)の完全子会社で、純電気自動車のタクシーを大規模に商業化させた世界初の企業だ。AutoXはロボタクシー周りのソフトウエアおよびハードウエア技術と運用プラットフォームを提供し、鵬程電動はロボタクシーの車両管理とメンテナンス、車両管理を担当する。鵬程電動はAutoXに配車プラットフォームも開放し、双方のデータを連動させるテストを行う。AutoXのロボタクシーチームは鵬程電動の配車システムに組み込まれ、まずは35台の車両を投入し、徐々に台数を増やしていく予定だ。
昨年8月、文遠知行は広州白雲出租汽車集団(Baiyun Car Renting Group)、科学城(広州)投資集団(SCG GROUP)と共同でロボタクシーサービスを行う合弁会社「文遠粤行(WeRide RoboTaxi)」を設立し、昨年末から広州黄埔区、広州開発区中心部の指定地域でロボタクシーの試営業を行っている。
このような提携モデルは今後も増えることが予想される。(翻訳・普洱)
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