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アリババ傘下のライブコマース「淘宝直播(タオバオライブ)」が、2020年GMV(流通取引総額)の目標を5000億元(約7兆8000億円)に設定したという。ショート動画アプリ「快手(Kwai)」のECサイト「快手電商(Kwaishop)」と、ショート動画 アプリ「抖音(Douyin、TikTokの中国国内版)」のECサイト「抖音小店(Douyin Xiaodian)」も、それぞれ同目標をすでに2500億元(約3兆9000億円)、2000億元(約3兆1000億円)に定めている。
淘宝は2018年、淘宝直播の販売目標を3年間で5000億元(約7兆8000億円)と発表していた。目標の引き上げは、コロナの感染拡大期間中にライブコマースが爆発的に成長したことを受けてのことだ。
コロナ禍にあって、多くの事業者やブランドがライブコマースを重要な販売手段とみて独自に行うようになった。今年2~6月には、1200以上のブランドが店舗発信のライブコマースを開始し、放送回数は累計45万回に達した。毎日4000店舗が全国各地で淘宝直播を行ったことになる。
2020年第2四半期財務報告書によると、アリババ傘下のECモール「天猫(Tmall)」は、「618(中国で6月に行われる毎年恒例のオンライン通販セール)」期間中、各出店業者に対しライブコマースの実施を奨励し、淘宝直播のGMVが前年同期より100%増加、そのうちショップの寄与率は約60%だった。
後塵を拝する快手と抖音も、追い上げている。
快手は今年上半期にEC売上高の年間目標である1000億元を達成し、5月にGMV目標を前年の10倍近くの2500億元(約3兆9000億円)に引き上げた。抖音は今年上半期の成長は予想を下回ったものの、618などセールイベントのピーク時は一日平均5億元(約78億円)に達し、快手に匹敵するGMVを獲得した。
快手はアリババのライバル京東(JD.com)と提携し、抖音は今秋から他社プラットフォームの取扱い商品を締め出す。これらはいずれも淘宝への対抗措置だ。快手と抖音のライブコマースはこれまで第三者プラットフォームで販売する商品も紹介することができ、この場合、購入希望者は外部リンクへ飛んで商品を購入するようになっていた。結果的にはこれが淘宝への依存を招いた。現在、抖音のライブコマースで販売される化粧品、アパレル、スナックなどの主要商品のうち、淘宝、天猫の掲載商品は50%以上を占めている。
抖音のこの措置は時期尚早とみられているが、現在のライブコマースの販売水準がGMV目標と大きく開きがあることと関係がありそうだ。年初に設定した目標額2000億元(約3兆1000億円)に比べ、上半期に達成できたのは400億元(約6000億円)にとどまった。
現在、快手と抖音が淘宝への依存から抜け出すのに伴い、ライブコマース業界の「三つ巴の争い」は激しさを増している。
(翻訳・二胡)
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