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医療用ロボットを手掛ける「杭州鍵嘉機器人(JOINTECH)」が近ごろシリーズBで1億元(約15億円)を超える資金を調達したことが分かった。今回のシリーズでは中国の大型投資ファンド「ヒルハウス・キャピタル(高瓴資本)」、製薬大手の「復星医薬(Fosun Pharmaceutical)」及び既存株主の「百度風投(Baidu Ventures)」が共同で出資し、「浩悦資本(Hao Yue Capital)」が引き続き財務顧問を務めた。同社は年初にもシリーズAで数千万元(数億円)を調達しており、今回調達した資金は関節置換術ロボットの臨床登録や新製品の研究開発に充てるという。
2018年に設立された同社は、AIを利用した整形外科手術ロボットの自社開発と生産を手掛けるほか、精密な人工関節置換術のソリューションを提供、術前・術中・術後と全プロセスをカバーしている。
関連リポートによると、2019年中国のロボット市場規模は86億8000万ドル(約9100億円)に達しており、2014‐2019年の年平均成長率は20.9%に達しているという。そのうち、サービスロボットが22億ドル(約2300億円)を占めている。2019年、中国国内の医療ロボット市場は2019年に6億ドル(約630億円)を超えており、2020年には7億4000万ドル(約780億円)、2021年には10億ドル(約1050億円)を突破する見込み。
現在、中国ではすでに40社以上の企業が医療ロボット分野に参入している。2019年にはそのうち半数近くの企業が資金を調達しており、総額は4億元(約60億円)を超える。政策面での優遇や、高齢化の急激な進行、消費グループの増加や産業化発展の加速など総合的な要因から、中国の医療ロボット市場はいま急速に成長している。
鍵嘉機器人が開発した股関節置換術の手術ロボット「ARTHROBOT」は寛骨臼(かんこつきゅう)の位置を正確に把握して削り、人工関節を取り付けることができるという。最終的な手術の誤差を1ミリ以下に抑えて、取り付け角度のずれも1度以内に抑えている。これまでの股関節置換手術にありがちな精度の低さ、習得に時間がかかる、医師の被曝量が多いなどの問題点を大きく改善した。
復星医薬の本プロジェクト責任者は「低侵襲方式の関節置換術は患者の入院期間や、リハビリ及び社会復帰までの時間を大幅に短縮することが多くのデータから証明されており、医療コストの削減にもつながる。この関節手術ロボットのサポートにより、低侵襲方式での関節置換術の人為的な不確定要素をなくし、手術に一定の効果が得られるようになるだろう」と話す。
百度風投の責任者は「AIを利用した手術ロボットシステムは外科手術の効率を向上させる新しいプラットフォームとして、臨床現場での大きなポテンシャルがあることがすでに証明されている。高齢化が急速に進むにつれ整形外科のニーズは増え続けており、手術ロボットにも大きな市場がある。近年、国産の医療器械イノベーションにとっては政策も追い風となっており、今が絶好のチャンスだと信じている」と話した。(翻訳・山口幸子)
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